これに先立つ初登庁では職員の出迎えはなし。「そんなことをするのは事大主義だと断った。職員は国民のために仕事をすべきで手を休めて出迎えることは意に染まないということ。仲が悪くて出迎えがなかったのではない」と会見の冒頭で話した。
また、これまでは登庁後、幹部職員の紹介があるが、赤松新農相は6月に井出事務次官が定例会見に民主党の戸別所得補償制度を非現実的と批判したことを問題視し、「次官に質したい。けじめをつけるべき。つけられなければお辞めいただくことも」と会談した。
農相によると井出次官は「時の政権、大臣を次官として支えるのは当然だと理解してほしい。献身的、徹底的に支えたい」などと話し「歴史的和解がなった」という。
これを受けて農相は、次官を始め幹部職員に「官僚としての誇りと自信をもってやってほしい。大臣や民主党のためではなく国民のためにがんばろう」などと話したという。
具体的な政策では「農業、農村再生のいちばんの柱は戸別所得補償制度。国民との約束で着実に実行していく」と強調し、2011年度からの実施を明言した。
そのために10年度から制度設計に向けた調査などを「ピッチを上げながらやっていく」として副大臣、政務官のチームで取り組む方針を示した。
また、戸別所得補償の完全実施に向けて、農水省も関係部局の作業チームを設置、「役所も前向きに取り組む」ことを明らかにした。
自民党政権時代と異なり、民主党政権は副大臣、政務官は大臣が指名することにしており、「やる気のある人とチームを組む」と意欲をみせた。
また、法案提出も2010年の通常国会をめざすとした。
一方、今年の始めから検討がはじまった「食料・農業・農村基本計画」見直し作業は来年3月に新基本計画を策定することになっている。
この扱いについては「まだ決まっていない」としながらも、審議会や基本計画のあり方についても検討する考えも示した。
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身振り手振りを交えて話す赤松新農相