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新たな協同の創造をめざして 全国から2500人が結集  第25回JA全国大会

 JA全中は8日、東京都内のNHKホールで第25回JA全国大会を開いた。超大型の台風18号が日本列島を直撃し、首都圏の交通機関がマヒするなど悪条件にもかかわらず、全国から2500人の関係者が集まり、向こう3カ年のJAグループ基本方針を決議した。

第25回JA全国大会式典 今大会スローガンは「大転換期における新たな協同の創造」だった。
 組合員間の協同を再構築しJA組織を強化する一方、さらに消費者、地域住民、生協や漁協などほかの協同組合、商工業者などさまざまな人、組織との連携やネットワークを拡げ、協同の力を最大限に発揮することを目標とした。
 大会議案にはその具体的方策として、▽消費者との連携による農業の復権▽JAの総合性発揮による地域の再生▽協同を支える経営の変革、の3点を盛り込んだ。
 JA全中の茂木守会長は「供給過剰からひっ迫への世界的な食料需給構造の転換、日本農業を支えてきた昭和一桁世代の引退、農地法改正など、わが国全体が大きな転換期を迎えており、JA経営も厳しさを増している」と現状認識を述べる一方、「地域に根ざしたJAへの期待は高まっている。今日の大会は、決議実践に向けた第一歩だ。みなさんがリーダーシップを発揮して、大会決議を実践してほしい」と期待した。


◆2つの特別決議を採択

 大会には政府から松野頼久内閣官房副長官、農水省から郡司彰農林水産副大臣が来場したほか、自民党の谷垣禎一総裁、公明党の井上義久幹事長、日本共産党の志位和夫委員長、社民党の重野安正幹事長、国民新党の自見庄三郎幹事長、みんなの党の渡辺善美代表など、各政党の代表が参列した。
 友誼団体として日本生活協同組合連合会の山下俊史会長が「農業の復権は自給率向上抜きにはなしえない。今日の議決に全力で取り組むことを期待するとともに、ともにこの危機を乗り越えていきたい」とあいさつし、韓国農業協同組合中央会の崔圓炳会長も「日本の農協は協同組合運動の成功事例だ。今後も両国の農協が活発な交流をし、農業人と国民に愛される農協へと成長していきたい」とエールを述べた。
 大会議決は福岡県農業協同組合中央会の花元克巳会長を議長に選任し、JA全中の冨士重夫専務が議案を提案。
 農業の復権についてはJA庄内たがわの黒井徳夫組合長、地域貢献についてはJA女性協の藤木智恵子副会長が、JA経営の変革についてはJA豊橋の白井良治組合長が意見表明をした。
 また特別決議として、福島県農業協同組合中央会の安田壽男会長が第25回JA全国大会決議の実践について「トップのリーダーシップのもと、経営理念を組合員と役職員が共有化し地域実態をふまえた経営戦略を構築して着実に実践する。連合会、中央会は連携してJAの経営戦略を支援する」こと、新潟県農業協同組合中央会の萬歳章会長が農政運動の強化について「与党をはじめ、すべての政党に対して生産現場の農家組合員の声を主張し国政に反映するという、国民運動としての農政運動を展開する」ことを決議した。(関連記事 10月7日のようす

         JA庄内たがわ 黒井徳夫組合長JA女性協 藤木智恵子副会長JA豊橋 白井良治組合長

(写真)意見表明したJA庄内たがわの黒井徳夫組合長(左)、JA女性協の藤木智恵子副会長(中央)、JA豊橋の白井良治組合長(右)

(2009.10.09)