講演では中国のりん酸肥料工業の現状について「生産量は2004年から右肩上がりに推移し、2005年には世界第1位に達した。2006年には輸入の歴史から脱して自給を実現し、りん酸肥料の輸出国となった」と発展スピードの速さを強調した。
しかし昨年の金融危機による世界の需要減少で肥料マーケットも打撃を受け、工場の操業を弱めたことなどで中国の生産量も落ち込んだと厳しい世界情勢も語った。
その上で「激しい市場競争や資源構造の変化などにより、小さい規模での生き残りは難しい現状にある。大きな企業が優勢な統合発展のチャンスに恵まれる」と話した。
中国のりん酸肥料工業は▽省エネ▽排出減少▽循環経済を目標に進んでいるといい、そのなかで同社の発展への考えは高い科学技術、高い経済効果、低い資源消費、少ない環境負荷としている。
全農とパートナーシップを結んだことに対して「2010年にはりん酸液(バルク品)を直接全農に輸入することを希望する。品質管理面で全農と知識経験を共有することで両社にとってウィン・ウィンの関係となるよう実現をめざしたい」とし、「JAの肥料供給システムを学び、農村地区の隅々まで肥料の供給体制をつくりたい」と希望を話した。
全面的な協力体制を築くことで、これから先、お互いに利益をもたらし発展することができるとまとめた。(関連記事:調印式のようす)