農政・農協ニュース

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実践あるのみ―JA女性組織の基本方策  22年度からの新3カ年計画

 1月24、25日の2日間にわたって開かれた第55回記念JA全国女性大会で、平成22年度からの新たな3カ年計画「JA女性 気づこう一人ひとり、行動しよう 仲間とともに?大転換期におけるJA女性組織の基本方策」が決議された。JA女性組織が抱える課題を改善し、女性組織メンバー一人ひとりが自信と誇りを持って前進できる方策として策定、キーワードは「気づく・見直す・行動する」の3つだ。基本方策のポイントを解説する。

 JA全国女性組織協議会は第24回JA全国大会決議をふまえて平成19年度から3か年計画「JA女性 かわろう かえよう STEP2〜食と農を育む未来計画〜」を策定し、食と農を機軸に「地産地消」、「環境問題」、「メンバーの加入促進」、「JA運営への参画」などを多様な活動に取り組んできた。
 こうしたなか、昨年の第25回JA全国大会決議では、「新たな協同の創造」をテーマに協同組合の価値を再認識し、多様な連携やネットワークの構築により「協同の輪」を広げていくことなどを決議した。これをふまえて、JA全国女性協議会としても新たな活動方策を策定することにしたもの。

◆気づく、見直す―取り組みの基本方針

 基本方策では、JA女性組織の「活動」、「組織」、「組織運営」と「JAへの働きかけ」の4つについて、最初に「気づく、見直す」ことを基本方向に掲げた。
 「活動」については、そのマンネリ化や魅力不足となっている実態、PR不足などの現状についてまず「気づく」が重要だと提起。今後の活動について支所・支店を基本とする活動を重視してメンバーが主体的に参加できる仕組みにすることや、活動の自己点検、JAと協力した情報発信などの「見直し」を行う方向を示した。
 「組織」についても、メンバーの固定化、高齢化、フレッシュミズの育成が重要であることに気づき、世代間の連携強化や「地域を対象にした加入促進」といった見直しが必要だとしている。
 「組織運営」については、事務局提案型の運営に陥っていることや、財源が不足していることに気づき、そのうえでリーダーの育成強化や、財源対策では会費収入や活動参加者の受益者負担を基本とすることなどの見直し方向をあげた。
 また、「JAへの働きかけ」では、女性組織活動の役割・位置づけが不十分で活動が評価されていない、JA運営への参画を女性組織の課題として納得させる論拠が弱い、JA役職員に女性組織が十分に理解されていない、などの課題に気づくことが重要としている。見直し方向として「女性正組合員25%以上、総代10%以上、理事等1JAあたり2名以上」を25年度までに実現するために「JAとしての方針を明らかにするよう働きかける運動」の展開などを打ち出した。

◆「行動する」―重点実施事項

 この基本方策では、今後の女性組織活動はJAや地域内で「見える組織・見える活動を意識した具体的な対応」が重要だとして、以下を重点実施事項として掲げている。
 (1)見える活動の進捗状況の自己点検、(2)活動の充実と地域にむけた情報発信、(3)組織の活性化をはかるためのフレッシュミズ支援と加入促進、(4)女性のJA運営への参画促進、(5)活動資金の確保対策の5点だ。
 今後、この基本方策に基づく22年度活動計画を策定する予定で新年度から取り組みを進める。JA運営にとって女性の力は不可欠。まさに「実践あるのみ」(佐藤あき子JA全国女性協議会会長)だ。

(2010.01.26)