テーマは「新政権の水田農業政策は何が問題か、どこを変えるべきか」、司会は田代洋一大妻女子大学教授で行われた。
JAえちご上越の石澤正親常務理事が「民主党政権下の水田農業政策へのわが農協の対応」、JAさがの水田徳美常務理事が「佐賀県水田農業の確立に向けて」と題し、それぞれの取り組みを報告した。
両者ともにこれまでコメの生産調整に徹底して取り組んできたJAだ。
JAえちご上越は大豆の転作や地域間で生産量を調整するJAとも補償に取り組んできた。大豆作付面積は約1300haと県下最大だ。「戸別所得補償制度は、生産調整に参加するメリットにはなっていない。今のところ、民主党農政には長期的ビジョンがみえない」と述べた。
JAさがはコメや大豆などの表作と麦やその他作物との裏作を組み合わせ、約140の共同感想施設を整備するなどして、150%と高い耕地利用率を誇る。「大豆を転作でなく主作としてみる。戸別所得補償制度の交付金は、ブロックローテーションでコメが多い者と大豆が多い者との公平性を保てるよう考えている」と支援について語った。
会場との意見交換では「JA側から国民にむけて農政のあるべき姿を提示するべきではないか」「JA抜きで需給調整や食料自給率向上ができるのか」「国産農産物の輸出はどうあるべきか」などについて、さまざまな意見が出された。
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上:(左から)田代教授、石澤常務(JAえちご上越)、水田常務(JAさが)
下:会場での意見交換。質問しているのは梶井会長
(詳報は特集「農業協同組合研究会2010年度第2回課題別研究会」から)