◆単協同士、ヨコの連携強化を
今セミナーのテーマは「園芸作物の販売戦略」。卸売市場での相対取引の増加、手数料の自由化、など園芸作物が抱える問題について、JAの実践事例と市場・流通関係者の発表を交えて議論した。
新世紀JA研究会の鈴木昭雄代表(JA東西しらかわ代表理事組合長)は、研究会の主旨について「単協として大切なのは地域実情にあった事業展開の情報を共有し学習することだ」と述べ、販売戦略だけでなく職員の姿勢なども学びたい、とあいさつした。
開催地であるJAはが野の高橋武代表理事組合長は「イチゴの生産量は日本一。園芸作物を中心に首都圏農業を推進してきた取り組みが参考になれば嬉しい」とあいさつ。JA栃木県中央会の伊澤茂会長は「市場流通を経由しない直販増加と流通コスト削減、直売所や学校給食の推進、などで農家所得増大をめざしている」と県の取り組みを紹介した。
福田富一栃木県知事からは、栃木県の野菜産出額は10年前に比べて26%増え全国でも最大の伸び幅であり、新規就農者の3分の1が園芸作物を希望している、などの祝辞が寄せられた。
◆市場での価格形成は適正か?
発表・講演は、▽川田一光東京青果社長、▽杉山忠雄JAはが野常務、▽赤松光コープネット事業連合理事長、▽久保芳宏JA全農とちぎ、の4人が行った。
会場からは「市場での価格形成は本当に需給バランスを考えているのか」「それぞれの産地やJAは、生産原価や再生産可能価格がどれぐらいかという情報開示を怠ってきたのではないか」などさまざまな意見が出された。
2日目には、▽コメ以外の戸別所得補償制度の設計と市場での農産物適正価格の形成、▽新農政展開のためのJAグループとの意思疎通・連携、▽信用・共済事業の分離や独禁法適用除外の見直しに
反対、などを政府とJAグループに強く要請するという大会アピールを満場一致で採択した。
現地視察ではJAはが野のパッケージセンター、直売所などを訪問した。
研究会の第9回セミナーは11月にJAにじ(福岡県)で行われる予定。
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