循環型農業が危機に
これからどうすれば…?
(写真)懸命の防疫措置が続く現地
口蹄疫発生から1カ月となる5月20日、重い気持ちでJAを訪ねた。現地では「まさに生き地獄」、「どれだけの農家が経営を再開できるのか・・・」と悲痛な叫びが聞かれる一方、「畜産農家からはJAの支援に感謝の声も出てきた」、「またやっぞ! という若者もいる。畜産を核に絶対に再生したい。私たちの取り組みを見続けてほしい」との前を見つめる声も聞かれた。現地の実態を緊急にレポートする。
「喪が明けた農家がやってきて、『なにもいない畜舎を見ると寂しい……。組合長、オレはこれから何をすればいいんだ?』と言う。涙がポロポロ出てきて。本当に生き地獄のような1カ月だった。職員も平静を装っていますが内心は動揺しています」。JA尾鈴の黒木友徳組合長は悄然とした様子だった。「どうだ?がんばれるか」。隣席では河野康弘副組合長が組合員からの電話に大声で応じていた。
「喪が明けた」とは、いうまでもなく殺処分と埋却、消毒が終わったということ。身内を送ったも同然の農家の心情を察して余りある言葉だ・・・。
(写真)家畜の埋却が終了した農地
(続きは「シリーズ 産地は今・・・【緊急ルポ 口蹄疫】」で)