経産省では昨年11月から「地域生活インフラを支える流通業のあり方研究会」でこの問題について検討、今年5月にはその報告書がまとめられたが、そのなかで、国の役割として「官民連携ガイドライン」の策定を求められていた。
経産省では、事業者などによる先進事例とその工夫のポイントを整理し、研究会でも検討をして今回の「マニュアル」公表となった。
このマニュアルでは、買い物弱者を応援する方法を次の3つに分類し解説している。
1.身近な場所に「店を作ろう」(7事例)
2.家まで「商品を届けよう」(7事例)
3.家から「出かけやすくしよう」(6事例)
また、買い物弱者を継続的にサポートし続けるためには、できるだけビジネスとしてサービスを提供していくことが大切だとし、次の7つを工夫ポイントとしてあげている。
「利用者ニーズの把握」:(1)買い物弱者マップ作成、(2)地域ごとの課題への対応
「運営基盤づくり」:(3)輸送ルートの効率化、(4)ITの活用、(5)遊休設備や公的設備の活用
「サービスの開始と継続」:(6)住民主体で運営、(7)支援制度の活用
巻末には、経産省だけではなく、農水省・厚労省・国土交通省など複数の省庁が用意している支援制度(23年度予算要求額ベース)や事業設計にあたってポイントとなる情報を掲載しているホームページアドレスも掲載し利便性を高めている。
経産省では、さらに全国の先進事例を集め、来年3月を目途に事例を拡充した完成版を公表する予定だ。
また、このマニュアルも参考に、さまざまな工夫を推進されるために全国3カ所でセミナーを開催する(いずれも13:30から)。
○東京:1月31日 野村総研大会議室
○東北:2月14日 仙台商工会議所会館
○九州:2月23日 ソラリア西鉄ホテル
なお「買物弱者」問題については、本紙12月10日号を参照。