農政・農協ニュース

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【JA全青協・大西雅彦会長インタビュー】 ともに活動し、ともに感動しよう!

第57回JA全国青年大会に向けて

 運動には継続性が重要との考えから、第57回JA全国青年大会のメインスローガンは昨年と同様「新時代 新機軸 新青年部!!!」とした。さまざまな農業経営のありかたが存在する時代だからこそ、JAをよりどころとした地域の大切さを改めて考えるべきだ、と力強く語る。

JA全青協・大西雅彦会長 今年の全国大会メインスローガンは、過去にも例がないと思いますが、昨年と同じく「新時代 新機軸 新青年部!!!」です。運動というのは1年ではなかなか成果が出ないものなので、去年スタートしたことをしっかりと受け継いでいきたいと考えたからです。ただ、混沌とした時代の中でも自分たち青年部の原点に立ち返りながら、さらに未来へ向かって進んでいこうという思いを込めて、サブスローガンを「Get the Real Policy Back for the Future それでも僕らは種をまく」としました。
 最近の農業では、新規就農者や企業参入などさまざまな農業経営のありかたが存在します。しかしそういう時代だからこそ、JAをよりどころとした地域の大切さを改めて考えるべきではないでしょうか。1人でできることは限られますので、やはりみんなで集まって新しい事を考え、ともに活動することは素晴らしいことだと伝えていきたいと思います。


◆ポリシーブックを基に政策提言を

 農業を取り巻く環境は依然厳しく、組織活動にさく時間も場所も少ない中で、それでも活動するためにはまず経営を安定させないといけません。組織リーダーは自身の経営も含めて、もっとかっこよくて、もっと憧れられるべき立派な存在にならないといけません。リーダーはほかの盟友と同じ方向を向いて、背中で引っ張る。盟友たちはその背中をめざして追いつけ追い越せでがんばる。それがあるべき姿でしょう。役員やリーダーだけが青年部運動をやるのではなくて、みんな一緒に当事者になろう、という気持ちがあれば今よりもっと活動は広がるし、いい組織になると思います。
 JA全青協では22年度からポリシーブックによる新たな農政運動方針の確立のため、モデル事業を展開してきました。ポリシーブックとは、盟友ひとりひとりの議論を積み上げて作る青年部の政策集です。来年度はこれを全県域で作成し、それを基にして青年部活動を改めて見直し、JAグループとの連携をはかるとともに、国や行政に対してしっかりした政策提言をしていきたいですね。
 今TPPが大きな問題になっていますが、関税撤廃と貿易自由化のみの議論ではなく、景気低迷、少子高齢化、失業者の増加、子育てへ不安などの課題も山積するなか、政府はまずしっかりした国家ビジョンを示すべきです。すでに農業団体だけでなく、地方自治体などからも反対意見が出てきているのですから、もっと色んな声に耳を傾けるべきです。
 だから、今こそ行動するしかないんです。農業者でも大手企業でも、もはや傍観者ではいられない時代です。しっかり額に汗して働いた人が評価される世の中にするためにも、青年農業者が地域のリーダーにならなくてはいけません。


◆JAなら個々の意見を形にできる

 農村や商店街は寄り合い社会でみんな経営者だったから、それぞれが意見を持って集まり、全員が当事者としてコミュニティの発展のために議論し、行動していました。しかし今は組織体が変わり、ヨコ、地域のつながりがタテ、経営や雇用のつながりに代わってしまいました。
 しかしそんな時代でも、青年部は地域を核にJAグループとともに議論や運動ができるんだ! ということをしっかりアピールして、国民全体に運動の必要性や機運、メリットを伝えていくべきです。傍観者では本物の感動はできません。一緒に行動して苦労して、初めて感動できるのです。
 全国の盟友には、一人ひとりが当事者として活動に参加し、その中心で一緒に汗をかいて求めるところへ進んでいこう、と呼びかけたい。自らが日本の農業、社会、地域をつくっていくんだ、変えていくんだ、という強い思いを持ち、それを形にするのがわれわれ青年部のあるべき姿です。一歩ずつ、確実に実現していきたいですね。

第57回JA全国青年大会

全県域でポリシーブック作成 JA全青協の取り組み

(2011.02.17)