農政・農協ニュース

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食料情勢分析対応本部を設置  農水省

 農水省は2月22日、世界の穀物価格が高騰していることから、食料安定供給確保のための情報収集と分析を行う「食料情勢分析対応本部」を設置、同日、第1回会合を開いた。

 同日は、首相官邸で中東情勢に関する閣僚会合が開かれた。
 この席で菅首相は、中東情勢の背景に食料価格の高騰があることが指摘されており、今月のG20蔵相・中央銀行総裁会合でも食料高騰の原因などを分析することを決めたことを指摘し、農水省に関係省庁と連携して情報分析と対応策を検討する本部を設置するよう求めた。
 農水省の同本部の本部長は鹿野農相。
 国内の食品価格の動向などを分析するとともに、穀物価格高騰の要因には投機資金の影響もあるとされ、今後は資金の動きについて注視していくという。 なお中東情勢が混迷しているが、中東からのおもな農林水産物輸入は、イラン「ピスタチオナッツ」32億円、238t(わが国の輸入金額で2位)、エジプト「乾燥野菜(タマネギなど)」31億円、1195t(3位)、モロッコ「たこ」635億円、1万775t(2位)など。
 本紙2月20日号でもレポートしたように今回の中東での政変や暴動のきっかけになったのは干ばつで不作となったロシアの小麦の禁輸。中東諸国はロシアから小麦を輸入していた。
 小麦の世界在庫量の見込みは2月9日の米国農務省発表では26.7%で米国の在庫率は33%だ。業界関係者によると食用向けの良質な米国小麦へのニーズが世界から殺到しており同国の輸出エレベーターは現在フル稼働状態で、輸送量の小さな船については一部で船積みの遅れも出ているという。

(2011.02.24)