今回の政府の対応について、JAグループは、国会も含め関係者との十分な議論も行わないまま直ちに認可するという生産者やJAグループの意見をまったく無視した不誠実な対応であると批判。到底納得できるものではなく認められたとして、今後、この対応を厳しく追及するとともに、本上場を断固阻止する運動を展開する。
具体的にはJAグループ各段階の総会や理事会などの意思決定機関で断固反対と不参加の緊急決議を行うとともに、国会議員などへの働きかけを強める。米先物取引の問題点を解説した資材も作成し、JAグループの考え方を組織内外に浸透させる取り組みも行う。
7月下旬には大震災からの復旧・復興対策、TPP阻止などと合わせて意思結集を図る全国代表者集会を開く。 また、今回の農水省の認可判断の取り消しを求める行政訴訟について検討を行うほか、試験上場、本上場の認可基準や投機資金の制限などを課題として商品先物取引法の改正を提言するための見直しも検討する。
同時にJAグループの水田農業対策もとりまとめ具体化に向けた運動も展開していく。水田農業対策では▽米の需給と価格の安定に政府が責任を持つ現行食糧法の考え方を堅持した政策の確立、▽高齢化の進展をふまえた担い手経営体の確保・育成対策、▽生産調整の円滑な推進と政府備蓄の機動的な運用、過剰米処理対策による需給調整対策の確立、▽米取引の実態をふまえた現物市場も含めた透明で安定的な価格形成の仕組み確立対策などを検討課題としている。
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