農政・農協ニュース

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希望の持てる復興ビジョン、国家の責務  7月29日 全国代表者集会

 7月29日に開かれたJAグループの「東日本大震災対策・基本農政確立対策全国代表者集会」では、被災地の復旧・復興対策、原発事故と損害賠償問題、さらにTPP問題、来年度予算など、農業とJAをめぐる課題がいかに多いか改めて訴えた。集会では「国が本来果たさなればならない責務を果たしているか?」と強くアピールするとともに、JAグループとして安心で豊かな地域社会・経済の実現に総力をあげる決意も示した。

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あいさつする茂木会長

【被害と復旧状況】
 7月25日時点で農林水産業被害額は2兆2652億円。うち農業被害は8412億円となっている。農地の冠水面積は2.4万haでほかに原発事故による放射能汚染で約1万haが作付できない状況にある。
 全中のまとめによると、がれきの処理状況(仮置場への搬入)は7月20日時点で岩手59%、宮城38%、福島30%。平均で42%にとどまり「まさに復旧は遅々として進んでいない」(JA全中・冨士専務)。

【原発事故賠償問題】
 6月末までの東電への賠償請求額は290億円。2分の1仮払いが行われたのは46億1600万円と請求額の15%に過ぎない。 JAグループが中心となった賠償請求のための協議会を設置している県は11にのぼっている。一刻も早い事故の終息と「すべての損害に対する」賠償の実施、さらには安全・安心が確保できる生活・営農環境の「再構築」に向けた対策強化が必要だ。

【第3次補正予算】
 23兆円といわれる第3次補正予算。復旧対策の加速化と、農地がすぐに復旧できずに休業を余儀なくされていることなどから、雇用確保・収入対策と、二重債務対策の拡充などの経営対策のほか、国による農地の買い上げなどをJAグループは重点事項として実現を要求していく。

【TPP問題】
 集会では公共事業への外国企業参入、医療サービスの自由化による地域医療の崩壊、弁護士・看護士などの労働市場の開放など、農業以外にも深刻な影響があることを指摘した。改めて「国のかたち」に関わる大問題として、9月に予定される日米首脳会議への動きなどを注視し広範な国民運動を持続させる必要がある。

nous1108100502.jpg【米の先物取引】
 8月8日から取引が始まったが、現物相場とかけ離れた高値がついた後、下落するなど価格乱高下の懸念が現実化。JAグループは引き続き断固反対を訴える。(関連記事

【24年度予算】
 概算要求の時期は不透明だが、10年間で1兆円も減少した農業予算の総額拡大が最重要課題になる。「地域復興は農業復興がなければできない」(菅原章夫・JA宮城中央会長)。

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ガンバロー三唱

(2011.08.10)