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7年連続マイナス 23年の農業景況見通し

 日本政策金融公庫は10月19日、平成23年上期(1〜6月)の農業景況調査結果を発表した。23年通期の見通しは22年とほぼ変わらずの▲24.4で、17年以来7年連続でマイナスとなった。

 景気が前年より「良くなった」との回答から「悪くなった」との回答を差し引いたDI(=Diffusion Index)で、稲作や酪農(それぞれ北海道、都府県別)、畑作、露地野菜、肉用牛、養豚など15の経営体別に調査した。同庫の取引先など全国2万1000件を対象に行い、5900件から回答を得た。
 回答全体では、23年上期実績が▲21.6で22年通期実績の▲25.2に比べて3.6ポイント回復したが、23年通期の見通しは▲24.4でほぼ横ばいだった。
 経営体別では、稲作のマイナス値が大幅に改善された一方、震災や原発事故の被害により野菜、茶、花き、酪農、肉用牛などは前年より落ち込んだ。
 23年見通しは、稲作が北海道で▲14.3と前年実績比で+22.6、都府県で▲11.7と同+43.8と大幅に回復した。コメの作況見通しや品質が昨年より良い見込みであるのに加え、米価が上昇したことなどが要因。
 原発事故による価格下落の影響を大きく受けたのは野菜と肉用牛だ。野菜は露地野菜が▲29.1で同マイナス27.1、施設野菜が26.0で同マイナス19.1、肉用牛が▲67.4で同マイナス60.0と大きく落ち込んだ。また果樹も台風12号、15号の影響などをうけて▲27.4で同マイナス26.5となった。
 一方、肉用牛の代替や消費者の節約志向をうけて養豚は21.6で同+5.1、ブロイラーは0.0で同+20.0と上昇した。


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