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「TPP交渉参加反対!」全国決起集会 東京・日比谷に3000人が集結

 JAグループなどをメンバーとする実行委員会は10月26日、東京・日比谷野外音楽堂で「TPP交渉参加に反対し日本の食と暮らし・いのちを守る全国決起集会」を開いた。集会には全国から約3000人が集結し特別決議を採択した(別掲)。

TPP交渉参加に反対し日本の食と暮らし・いのちを守る全国決起集会」 主催者を代表してJA全中の萬歳章会長(写真)は、政府がTPP参加について「国民に情報開示を全くせず、逆に心配する必要はないという見方だけが宣伝されている現状は異常だ」と指摘。「今やるべき最優先課題は東日本大震災からの復旧・復興と原発事故の終息。いまTPP参加を検討することは被災地の現状を無視し、わが国の誇る食料基地に追い打ちをかける暴論」と反論した。
JA全中の萬歳章会長 また1166万人から反対署名が寄せられたことについて「まさに国民の声としてあらゆる地域、多様な方々からTPP反対の声が広がっていることの証。わが国が国益とは国民の暮らしといのちを守ること」などとして、TPP参加断固反対への強い決意を述べた。
TPP交渉参加に反対し日本の食と暮らし・いのちを守る全国決起集会」 また、日本医師会の中川俊男副会長がTPP交渉反対への連帯のあいさつを述べたほか、生産者、漁業、林業など各団体の代表者6名が決意表明。各政党の代表者もあいさつした。
 集会後には霞が関から銀座をデモ行進し、「TPPは食品の安全性、医療、地域経済など私たちの生活に大きな悪影響を及ぼすものです」などと呼びかけ、国民に広く訴えた。

 TPP交渉参加に反対し日本の食と暮らし・いのちを守る特別決議

集会後のデモ行進 東日本大震災の影響から、いまだ現状復帰すらできていないにもかかわらず、政府は、11月12日からのAPEC首脳会議において、例外なき関税撤廃と各国の制度・基準の変更を強いるTPP(環太平洋連携協定)交渉への参加表明を念頭に、検討を加速化している。
 地域の雇用改善、農林水産業の振興、食の安全性確保、医療制度の充実は、国民の生命に直結した、根本的に重要な問題であるにも関わらず、十分な情報開示や、広範な国民各層の議論もないまま、TPP交渉への参加を拙速に判断しようとする政府の姿勢は、極めて問題である。
 消費者・国民の安心・安全な暮らしの確保や食料自給率向上につながらないことはもちろん、長い時間をかけて築き上げた日本人の価値観や倫理観を土台に、国民生活の基本となっている、わが国の重要な制度や仕組みの変更につながるTPPには反対であり、絶対に認めることはできない。
集会前のJA全青協によるトラクターパレード TPP交渉への参加に明確に反対を表明した、1166万人を超える国民の声は、きわめて重い。いま、最優先に政府に求められているのは、TPP交渉への参加ではなく、東日本大震災と原発事故からの復旧・復興に全力を尽くすことである。私たちは、これからも国民各層との連携を広げ、わが国の食と暮らし、いのちを守る運動を一層強化し、徹底的に闘っていく決意である。

(写真)
上:集会後のデモ行進
下:集会前に行ったJA全青協によるトラクターパレード

 


集会の詳細記事はこちらから

(2011.10.26)