主催者を代表してあいさつしたJA全中の萬歳章会長は、「全国の都道府県・市町村の8割はTPPに反対であり、これが国民の声だ。日本はいつから国民不在の国になったのか。国民の声にまったく耳を傾けず、情報も隠ぺいするような政府のやり方には納得できない」と憤りを露わにした。
そのほか日本医師会の羽生田俊副会長や日本看護連盟の石田昌宏幹事長、北海道議会の喜多龍一議長、広島県安芸高田市の浜田一義市長など参加団体の代表者11氏がリレーメッセージで力強くTPP交渉参加反対を訴え、各政党の代表者も一致団結と断固反対を呼びかけた。
集会では、「TPPへの交渉参加を、情報開示も国民的な議論もないまま、拙速かつ強引な形で行おうとしている」として、「国家の根幹である暮らしと生命を危機におとしいれるTPP交渉への参加に断固反対」するアピール文(全文別掲)を採択した。
集会アピール
私たちは、いま、歴史の分水嶺にたっています。世界人口が70億人を超え、10億人が飢餓と貧困に苦しんでいるなかで、世界的な食料需給のひっ迫が現実化しており、国際社会は将来的な食料危機に直面しています。また、現在起こっているタイの大洪水など、自然災害や環境の悪化が、日々の人々の暮らしに深刻な悪影響をもたらしています。そして、私たち日本人は、東日本大震災と原発による未曾有の大惨事と真正面から向き合っています。
そのようななか、政府は、わが国の地域経済や社会、国のかたちを一変させるTPP(環太平洋連携協定)への交渉参加を、情報開示も国民的な議論も無いまま、拙速かつ強引な形で行おうとしています。TPP参加の明確な根拠や国家戦略も無いまま、交渉参加を自己目的化することは、絶対に認められません。
地域経済と雇用の安定、農林水産業の復権、食の安全性確保、医療制度の充実は、国家として守るべき基本中の基本であり、国家の根幹である暮らしと生命を危機におとしいれるTPP交渉への参加に断固反対します。いま、わが国は、大震災と原発事故からの復興を最優先に、国民が、より豊かで幸せに暮らしていくため、「絆」と相互扶助に基づくコミュニティ社会を再構築していかなければなりません。
TPP交渉への参加に反対する声は、全国に着実に広がり、大きなうねりとなっています。8割の都道府県・市町村議会がTPP反対の決議を行うなど、地方の圧倒的な声はTPP反対であり、政府は、こうした地方の声を真摯に受け止め、着実に政策へ反映しなければ、真の民主主義とは言えません。私たちは、日本の食と暮らし・いのちを守るため、これからも広範な各層・地域との連携を広げ、徹底的に行動していくことを決意し、ここにアピールします。
平成23年11月8日
TPPから日本の食と暮らし・いのちを守る国民集会