23年6月末までに決算を迎えた711JAを調査対象にした。
事業別にみると、貯金が1.5%増の85兆5864億円となったが、貸出金は他金融機関との競争激化と新築住宅着工戸数の減少で、0.7%減の23兆5731億円となった。総利益は、金利低下の影響から利ざやが縮小し0.3%減の7645億円と2期ぶりの減少となった。
共済事業では長期共済保有高が3.1%減の308兆7719億円で、総利益は1.6%減の4871億円だった。長期共済保有高の減少にともなう付加収入の減少が要因となり、10期連続の減益となった。
購買品供給・取扱高は1.1%減の2兆9653億円となった。2年前の20年度は生産資材価格高騰で12期ぶりに増加(0.7%増)となったが、価格高騰の影響が落ち着き減少基調に戻ったとみられ、総利益は3.1%減の3443億円となった。
販売品販売・取扱高は0.5%減の4兆1468億円となった。米、畜産物などの価格低迷や需要の減退などが要因と考えられている。ただ、総利益は1.5%増の1265億円となった。
事業全体の総利益は1.4%減の1兆8762億円となり8期連続の減益となった。事業管理費は0.3%減の1兆7026億円となり、このうち人件費は1兆2067億円で0.3%減。
この結果、事業利益は1726億円となり前年度比9.0%減。経常利益は6.2%減の2234億円となった。
税引前当期利益は6.0%減の2225億円、当期剰余金も6.1%減の1574億円となった。
なお、組合員数は1.1%増加し962万8130人となっている。このうち正組合員数は1.2%減の469万2091人、准組合員数は3.3%増の493万6039人となっている。役員数は1万8915人で1.8%減。職員数は前年並みの20万4238人となった。
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