JAグループの米麦の集荷・保管・販売の拠点である農業倉庫は現在、全国に約6600棟あり、その収容能力は約610万トンを有している(23年9月末現在、農倉基金登録数)。その中核となる倉庫では大型化、低温化などの整備が進んできているが、まだ、小規模な常温倉庫も数多く存在している。
一方で、JA経営の効率化などの観点から倉庫担当者の兼務化など、保管管理体制の弱体化が懸念されている。
消費者や実需者からは、安全・安心を求め、それを保障するために栽培履歴や倉庫保管管理履歴の開示が求められている。
昨年10月には米トレーサビリティ法が施行され、生産者や事業者に取引き記録の作成・保存が義務づけられるなど、米の保管業務全体のあり方がいっそう厳しくなり、農業倉庫における米麦の入出庫を含む保管管理には、よりきめ細かな対応が必要となっている。
このためJA全農と農業倉庫基金では、毎年「農業倉庫保管管理技術研修会」を開催しているが、今年も11月10〜11日の東日本2を皮切りに全国4会場で開催される。なお2日間の研修後、受講者には修了証が手交される。
研修会の主な内容は次の通り(会場によって若干の変更はある)。▽米麦情勢▽米麦品質管理の基礎知識▽農業倉庫における保管管理の課題と対応▽米穀販売業界が産地倉庫に期待するもの▽貯蔵穀物害虫・ネズミの防除▽農業倉庫法の概要と倉庫業務▽農業倉庫受寄物損害補償制度その他
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開会のあいさつをする小屋秋文農業倉庫基金常務(11月10日・東日本2会場で)
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