フランス政府が国内での栽培を禁止したのはGMトウモロコシMon810で、EUで栽培が認められている数少ないGM作物の一つ。フランスでも08年にこの禁止令が出るまでは、2万2000haで商業栽培されおり、10万ha規模まで拡大すると予測されていた。
フランス政府は、08年に健康および環境へのリスクを理由に栽培を禁止したが、欧州司法裁判所(ECJ)はこの9月に、GM作物の健康および環境へのリスクを示すいかなる科学的な根拠をフランス政府が示すことができず、したがったEUの認可を停止するために必要な手順にしたがったいないと、この禁止令を違法と裁定した。
フランス最高裁の裁定はこのECJの裁定を支持して下されたもので、フランス政府もこれは法的に受け入れざるをえないといえる。
(EUのGM作物に関する詳しい事情は、「遺伝子組換え農作物を考える」第11回を参照)