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小麦需要の中に米粉も位置づけ 農水省が「麦の需給見通し」策定

 平成24年度「麦の需給見通し」を農水省が3月28日策定した。

 食糧用小麦の1人当たり年間消費量は概ね31〜33kgで横ばい傾向にある。このため24年度の総需要量は近年の平均的なレベルになると見込んだ。
 そこで「需給見通し」の要点を次の通りとした。
 (1)総需要量は過去の平均(5中3)に基づき561万t(2)国内産の流通量は、は種前契約などから推計して73万t(3)米粉用国内産米の流通量増加などを踏まえ、小麦需要の中に流通量を位置づけて5万t(4)輸入量は総需要量から国内産などを差し引いた478万t(5)備蓄は、輸入量の2・3か月分の93万tと見通した。
 また大麦とはだか麦の(1)総需要量は過去の平均に基づき33万t(2)流通量は、は種前契約などからの推計で10万t(3)輸入量は総需要量から国内産の流通量を差し引いた22万tと見通した。

 小麦の総需要量は、過去5年のうち、国際価格の高騰で政府売渡価格が上昇し、需要量が減少した平成20年度と、東日本大震災による一時的要因で需要が増えた23年度を除いて算出した3か年の平均である。
 23年度見込みは574万tで前年度比103%だが、24年度見通しは前年を2ポイント下回る予測となっている。
 麦の主な用途をみると、パン、めん、菓子、みそ、押麦(麦ご飯)と多様だ。
 小麦粉はタンパク質の含有量によって薄力粉(菓子用)、中力粉(うどん用)、準強力粉(中華めん用)、強力粉(パン用)に分類され、原料となる麦の種類・銘柄が異なる。 また二条大麦はビールや焼酎、六条大麦は押麦や麦茶、はだか麦は麦みその原料となる。

 23年の穀物の国際需給は、生産量が消費量を若干上回ると見込まれる。
 小麦は、値上がりしたトウモロコシの代替としての飼料用需要の増加などにより消費量の増加が見込まれる一方、生産量は、ロシアなどの生産量回復や、豪州・インドの豊作で増加が見込まれる。
 大麦でもロシアなどにおける干ばつなどからの立ち直りによって生産量の増加が見込まれている。
 またトウモロコシの価格がバイオ燃料向け需要の増加と、低い在庫見通しの影響で上昇していたために小麦の価格とほぼ並び、その後も、ほぼ横ばいで推移しているため飼料用小麦の需要が増加してきている。
 そうした中で外国産食糧用小麦の輸入量は470万〜560万t程度で推移している。

食糧用小麦の消費量の推移


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