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適格退職年金の移行完了  JA共済連

 JA共済連は平成20年6月から、全国のJA、連合会、JA・連合会の関連会社の適格退職年金(適年)契約の確定給付企業年金などへの移行に取組んできたが、24年3月末ですべての移行が完了したことを公表した。

 適格退職年金(適年)は昭和37年に創設された従業員などの退職金の全部または一部を年金形式で給付するもので、税制上の優遇処置がある。JA共済連では昭和57年に退職年金共済として適年を提供してきた。
 しかし適年には受給権保護の仕組みが弱いなどの問題があり、これらを強化した確定給付企業年金法が平成13年に成立。既存の適年は24年3月末までに他の企業年金に移行しないと税制上の優遇措置が受けられなくなった。
 移行には検討開始から行政の許可・承認までに時間がかかるため、JA共済連では20年6月から「職員のメリットを確保するためにも早急な移行手続きを」と呼びかけ、375団体の適年契約の移行作業を行ってきたが、この3月をもってすべての移行を完了した。
 375団体の移行先は
▽JA共済連の確定給付企業年金である「新退職年金共済」(規約方確定給付企業年金)へ338件(加入者数9万2587人 23年12月末現在)
▽JA共済連以外の確定給付企業年金へ3件
▽中小企業退職金共済6件
▽特定退職金共済23件
▽解除5件
となっている。
 確定給付企業年金は、掛金が損金になるなど税制上の優遇措置が受けられJA経営にメリットがあることと、職員の年金受給権が保護され、老後所得がより確実になることを特徴とする制度だといえる。
 特定退職金共済への移行が比較的多いのは、確定給付企業年金とは異なり年金数理を使用した制度ではなく、貯金的な仕組みで分かりやすいことと、JA合併時にのみ適年から移行することが可能だったためだという。


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