◆がん治療後も生き続けるための保障を提供
JA共済では平成14年に「がん共済」を開発し、「外科手術と長期入院を要する治療実態に合わせた総合保障」を提供してきたが、医療技術の進歩による身体への負担が少ない治療法の普及や、がん患者の生存率の向上などにより「長期入院前提の保障内容」と「治療実態」に乖離が生じ、仕組改訂が望まれていた。
そこで「がん共済」を利用者ニーズに合わせ「がん治療後も生き続けるための保障」を提供する仕組みに改訂、がん治療にかかる経済的な負担への備えを図ることにした。
改訂の概要は、加入年齢を従来の15歳〜75歳から「0歳〜75歳」へ拡大。「基本型」と「充実型」(がん入院共済金とがん先進医療共済金以外、基本型の2倍保障)を設定し、選択を可能とした。
がん再発時や長期治療時の経済的負担に対応するために「がん治療共済金」を新設。最新の治療に対応するために「がん先進医療共済金」を新設などとなっている。
◆生存保障の保障基盤・医療保障を充実
「医療共済」では、生存保障の保障基盤となる医療保障を充実させるために、概ね次のような仕組改訂を行う。
がん重点保障特則付契約の加入年齢を従来の15歳〜75歳から「0歳〜75歳」へ拡大。技術料が1万円以上の場合の先進医療共済金の額をこれまでの「技術料の額の1万円未満の端数を切り捨てた額」から「技術料の額と同額」へ改訂するなど。
◆自動車共済の簡素化・明確化
「自動車共済」の分りやすさをめざし、未保障分野の解消(保障内容の充実)を行い、契約者自身の保障に対する理解・納得度の向上をはかるとともに、仕組みの簡素化・明確化を行う。
主な改訂内容は、東日本大震災を踏まえ、地震・噴火・津波(以下「地震」)に対して万全な保障を提供するために「地震保障」を導入する(家庭用・一般用)。家庭用では、「対物超過修理費用保障」を「対物賠償責任条項」に組み込む。
二輪自動車、原付自転車における保障内容を見直し、「二輪・原付への人身傷害保障特約」の付加・適用を可能とするなど保障内容を見直した(家庭用・一般用)その他、などの仕組改訂を行う。
また、JAの事業基盤である農家・組合員の保障ニーズに対応するため、農耕作業用特殊自動車などの高額化に対応し車両共済金額の上限を1億円に引き上げる(一般用)などの改訂を行う。
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