農業・農村の課題解決に危機感持ち
研究・発信したい
◆研究者として参画
――まず所長としての抱負をお聞かせください。
就任を依頼されたとき、農業協同組合が全国各地で地域を支えているということの意味をきちんと世の中に発信することに私も踏み出せればという思いでお受けしました。
同時に地域でこれだけいろいろな取り組みをやってきているにも関わらず、なかなか状況が改善しないという問題もある。耕作放棄、高齢化が進行し、TPP問題を抜きにしても地域を訪ねれば10年後は厳しいという声はどこでも聞くわけです。
これを何とか改善しなければいけないという思いはみな同じですが、自分としてもできることを考えてみたいという思いも強くありました。
ですから、所長というよりは研究者としてJC総研の研究、発信がさらに発展するように参画するというイメージです。
JC総研はJA組織のなかでも日々の実務に追われてしまいがちな組織とは違い、これからの方向性をしっかりと議論し発信する機関なわけですから、ここが相当の覚悟を持って提案をしていく。消費者、国民に対してもJAががんばっている本当の姿、農業の現場でがんばっている本当の姿をしっかり伝えるためにさらにがんばらねばならない立場にあるわけです。
もちろん、これまでもJC総研は相当な発信をしており私自身も活用させてもらってきました。機関誌、叢書、あるいはネットで、たとえばTPP問題でもいい情報が出ていて大変参考になっています。それをさらに多くのみなさんに届くようにしていきたいということです。
(続きは 【特集】JC総研の新研究所長 鈴木宣弘・東大教授に聞く で)