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スクラムを組み団結を誓うJA全青協の新執行部。(前列左から)遠藤会長、山下副会長、(後列左から)石倉氏、益子氏、下中氏、勝部氏、薗田氏。宇川氏は欠席。
◆盟友の結集力に感謝
総会で牟田天平(たかひら)前会長は、全青協理事として活動した3年間を振り返り、時折涙を滲ませながら退任のあいさつ。とくにこの1年間の震災からの復興や反TPP運動については、「急な要請に対してもすぐに人が集まってくれた。改めて協同の力を知らしめた1年だった」として、全国の盟友の結集力を賞賛し、感謝した。
来賓ではJA全中の萬歳章会長が「JAグループとして、担い手や青年組織運動の活性化に向けて、最大限ののサポートをしていく」ことを約束。JF全国漁青連の志賀基明副会長は、「里山の景観を守り次代へこれを継承する、という責務をともに果たしていきたい」と、同じ第1次産業に携わる人たちの青年組織としてこれからも協同していきたいとした。
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牟田氏(左)、山本毅前参与の2名には、アクリル製の草刈り羽にメッセージを刻んだ記念品が贈呈された。
◆「ポリシーブックは生き物」
新会長に選任されたのは前副会長の遠藤友彦氏。旧執行部の活動を引き継ぎ、「新たな日本農業、元気な青年部活動をつくっていきたい」とあいさつ。
遠藤会長は、JA全青協の24年度活動の柱として、(1)ポリシーブックの活用、(2)組織の活性化、の2点を挙げた。
(1)ポリシーブックは、盟友一人ひとりの声を現場から積み上げてつくる政策集だ。23年度から始めた取り組みで、全単組でこれに取り組むことをめざした。
今年はその活動2年目として新たに24年度版を各単組ごとに作るのはもちろんだが、「昨年は作ることが課題だったが、今年はそれをステップアップさせて活用するのが課題。ポリシーブックは生き物。地域の実情にあった政策提言へとつなげていきたい」(遠藤会長)と目標を掲げた。
6月には各単組、各県域でつくりあげた23年度版のポリシーブックをまとめあげて全青協版を作る予定。今後は、各県域のポリシーブックを全青協ホームページで公開し、全国の盟友だけでなく一般の人々でも見られるようにし、盟友の思いや青年組織の活動を広くアピールしていく考えだ。
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退任のあいさつを述べる旧執行部。右から2人目、マイクを持っているのが牟田前会長
◆原発の意味問う勉強会も
(2)組織の活性化については、昨年に続き冬にリーダー研修会を開催するほか、秋に予定されている委員長・事務局合同会議を250人規模で盛大に開き、ポリシーブックの作成・活用事例報告会を行う予定。副会長の山下秀俊氏(長崎県農協青年部協議会委員長)は、「現在の盟友数は全国で6万5000人。これの減少傾向に歯止めをかけたい」と抱負を述べた。
そのほかの活動計画としては、秋に予定されている第26回JA全国大会の大会決議案にも盛り込まれている「脱原発」について、「各地域で勉強会などを開き、原発のそもそもの意味から考えていきたい」(遠藤会長)という。
また来年夏に予定されている第23回参議院議員選挙について、「JAグループの判断にただ従うだけでなく、ポリシーブックを活用しながら、われわれ青年組織の考え方や願いに合う候補が誰なのかをしっかり検討していきたい」(同)とした。
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JA全青協の新執行部は次の通り(敬称略)。
▽会長 遠藤友彦(福島兼農協青年部協議会前委員長)
▽副会長 山下秀俊(長崎県農協青年部協議会委員長)
▽理事(東北・北海道ブロック) 石倉一伸(岩手県農協青年組織協議会会長)
▽理事(関東・甲信越ブロック) 益子丈弘(栃木県農協青年部連盟委員長)
▽理事(東海・北陸ブロック) 宇川純也(富山県青壮年組織協議会会長)
▽理事(近畿ブロック)下中豊久(JAならけん青壮年部委員長)
▽理事(中国・四国ブロック) 勝部喜政(島根県農協青年組織協議会会長)
▽理事(九州・沖縄ブロック) 薗田洋資(鹿児島県農協青壮年組織協議会会員長)
▽監事 栗原剛(JA東京青壮年組織協議会委員長)
▽監事 山田泰三(香川県農業協同組合青壮年部委員長)
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