安全性の問題などからGM食品を取扱わないという姿勢を堅持
◆GM由来原料を一貫して排除
遺伝子組換え(以下、GM)作物・食品問題に対する生活クラブの対応について紹介する。生活クラブ連合会は、北は北海道から西は兵庫県まで20都道府県にある32の会員生協ならびに生活クラブ共済連(※1)が構成する事業連合で、取組品目の共同開発・共同仕入れを担っている。
日本でGM作物・食品の商業栽培・流通が解禁されたのが1996年秋。生活クラブ連合会は1997年1月の理事会で、GM作物・食品問題に対する基本的態度として次の2つの対応方針を決定した。
1.GM作物・食品は取り扱わない。
2.取り扱わざるを得ない時は、組合員に情報を公開する。
この方針を定めた当時、「取り扱わない」とする姿勢は困難であり無謀だとの声が業界の常識だった。
しかし、生活クラブはこの方針を堅持し、主原料のみならず副原料・微量原料そして飼料に至るまで、GM由来原料を排除し代替原料に切り替える対策を進めてきた。対策の範囲はトウモロコシ、大豆製品のほとんどにおよび(参照)、その達成水準は表1のとおりである。
※1:生活クラブ共済事業連合生活協同組合連合会
◆「GM食品いらない」運動で商業栽培を阻止
また、事業上の対応とともに、GM作物・食品に反対する全国運動に取り組んできた。GMに反対する他の生協や消費者団体・市民団体とともに、「遺伝子組換え食品いらない!キャンペーン」に集い、運動の一翼を担ってきた。
この運動は、GM作物・食品に対する否定的な世論を形成し、GM作物・食品の義務表示制度を国に導入させ、解禁から15年余を経過した今日に至るまで、国内におけるGM作物の商業栽培を阻止してきた。
(写真)
全国に広がるGMOフリーゾーン(遺伝子組換え作物拒否地域)宣言活動。宣言地域は7万8000ha強で、日本の耕作面積の約1.5%にあたる。写真は千葉県旭市
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