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大型店パワー濫用に「改善」の傾向も 食品産業センターが取引慣行を調査

 (財)食品産業センターは、加工食品メーカーと、スーパーなど大規模小売店の間の取引慣行について実態をアンケート調査し、6月13日報告書を発表した。

 メーカーを対象に毎年実施しているが、今年の特徴としては、優越的地位を濫用して協賛金などをメーカーに求める大規模小売店の行為にかなりの改善がみられた、などが挙げられる。
 「かなりの改善が認められる」と「ある程度の改善」を合わせた回答は7割強となった。平成19年度の調査では「ここ数年の改善傾向が足踏み」となり、前回調査で初めて減少。今回再び改善傾向が増加に転じ、前々回(66%)を上回った。
 これは公正取引委員会をはじめとする関係者の長年の努力による、と報告書は説明している。
 特に独占禁止法改正で22年から「濫用」が課徴金の対象となり、すでに3件の納付命令事案が公表され、こうしたことが「濫用」の抑止効果として今後とも期待されるという。
 改善によって負担割合が減ったとするメーカーはその「理由」として「小売業者の理解が深まったため」、「明確な効果が期待される事案以外を自社規定として断っているため」などと回答している。
 しかし今回の調査期間は23年2月〜24年3月で東日本大震災の発生直後であり、また課徴金納付命令が相次いだ年度でもあって、例年とは大きく異なっていたという事情も考える必要がある。
 一方、安全安心の流れの中で、小売がいわゆる「1/3ルール」など独自の入荷期限を設定し、それを過ぎた時は製品の受け取りを拒否したり返品するケースについても調査した。
 結果は「製造日から賞味期限までの1/4または1/6」といった厳しい設定もあり、中には「PB商品でありながら1/3超過を理由に受け取らない」という回答もあった。
 小売業者が独自に設定する入荷許容期限には法的な位置づけはなく、あくまで任意だが、その期限による納入の要求は「あった」の回答が3割にのぼり、また期限を理由に「不当な返品や受領拒否を受けたことがあった」という回答は55%となっている。
 この調査は加工食品の23業種351社から有効回答を得た。


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