これによると、大規模店側は「不当な行為」の改善へと動いているが、改善すべき事態そのものは増えている部分も多い。食品メーカー特に小規模業者の立場からは直接告発をしようにも将来の取引への影響が懸念されて難しい。これが優越的地位の濫用に歯止めがかからない大きな理由となっている。
【協賛金】についての要求は、前回調査と比べ、わずかに減少。39%となった。根拠が明示されることなく、一方的に要求され、納入業者の利益につながらないという恒常化した協賛金への不信を物語る回答が目立った。
【センターフィー】この要請には「すべて応じざるを得ない」と「ほとんど応じている」の合計が全ての業態で増加している。物流センターを使用するという明確な実態があるため「ゼロ回答」はしにくいと考える企業が多いと考えられる。
【従業員派遣】これを要請されたことがあるとの回答は全業態で減少した。日当・交通費は「全く出なかった」は36%だった。
【不当な値引き・買いたたき】これは全ての業態で「ない」との回答が83%を占めた。しかし「売り損じた商品を見切って売った場合、見切り金額に応じてメーカーに負担が回ってくる」といった「大規模小売業告示」で禁止行為となっている商品購入後の値引き事例も多数寄せられた。
【情報開示要求】過度に詳細な情報の要求は「ノウハウの流出につながり、他社でも同じものを作れるようになりかねない」「求められて配合割合を提出したら、バイヤーが他社に公開したこともあり、お互いの信頼関係を損ないかねないから過度の要求については見直す必要がある」などの意見もあった。
調査はこのほか▽小売業者が独自に設定した入荷期限(別項)▽大規模小売業告示について▽「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」の認知度などのテーマについても行われた。