23年度決算は、震災の影響などで年度前半にグループ・団体旅行の延期・中止が相次ぐなどして、取扱高781億4500万円(前年比4.7%減)、営業収益115億8700万円(同3%減)と落ち込んだが、経費削減等に取り組んだ結果、当期純利益は1億9600万円と4期ぶりに黒字を確保した。1株あたりの当期純利益は5455円64銭。
国内旅行では東日本大震災の被災地への復興支援を目的としたJAグループ役職員を対象の「JAグループ支援隊ツアー」を行い、のべ2197人が参加した。そのほかJA都市農村交流全国協議会などと協力し、小中学校などを対象にしたグリーンツーリズム企画が好評だった。前年比3割増となる165校が教育旅行を実施し、5億7000万円の取扱高があった。年度後半には震災による落ち込みから回復傾向へと転じたが、取扱高は655億円(前年比4.1%減)だった。
海外旅行はカンボジアやミャンマーの農業活性化に向けた「アジア社会貢献プロジェクト」などに取り組んだが、国内旅行と同じく震災による旅行中止などが響き取扱高は110億円(前年比5.6%)。
訪日旅行は原発事故による日本への渡航自粛などが大きく影響し、取扱高6億円で前年比4割減と大きく落ち込んだ。
また、組合員や地域住民とのふれあい、JAへの理解醸成などをめざして「1支店1企画」の提案を呼びかけ、全国のJA支店の約3割となる2228支店が独自の企画を立案。県外JA女性部との交流を広めたり、若年層の年金受給口座を獲得するなどの成果をあげた。
同社の今後の課題としては、復興支援の取り組みを引き続き強化するとともに、地産地消、JA食農教育の推進、都市農村交流、などをテーマにJA、組合員、地域住民の絆を深める活動をすすめていくとしている。
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