農政・農協ニュース

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【シリーズ】次代へつなぐ協同〜人づくり・組織づくり・地域づくり〜 問題意識の共有が人づくりの出発点  村上光雄・JA全中副会長

 JA全中の村上光雄副会長は人づくり運動推進委員会の委員長も務める。本シリーズ第1回は村上副会長に広島県のJA三次でトップとしてどう人づくり、組織づくりをリードしてきたかを聞いた。職員教育はJAトップの責任と強調した。

◆役職員が認識を共有する

nous1207040801.jpg 私は「人づくり」のためには3つ重要なことがあると考えて実践してきました。
 1つに仕事はみんなでやるものだということ。これを絶えず言っています。どこの企業でも同じかもしれませんが、われわれは協同組合ですから、なおさら協同して仕事をしなければならないということです。
 そのためには役職員ができるだけ共通の認識を持つことが大事です。だから、われわれのJAでは、たとえば講演会でも役職員が一緒になって聞くことを心がけています。講演会などは役員だけ、あるいは管理職だけ出席すればいいではないか、というのがよく聞く話ですが、やはり役職員が一緒になって話を聞くことが大事だと考えています。
 それから毎年、年の始めに役職員を集めた研修会を開き、そこで新しい年に向けてJAは何をやるべきか、私が考えていることをきちんと皆に伝えています。その日は午前と午後の2回に分けてパート職員も含めて全員出席してもらいますから、組合長はこういうことを考え、こういう方向で行こうとしているんだな、と全役職員が共通の認識を持つことになります。


◆全員で課題解決を考える

 かなり以前のことですが、各支店にある購買店舗を閉鎖して新しくAコープ店舗をつくろうということを決めましたが、これは地域をあげて喧々諤々の議論になりました。ただ、そのときも、この問題について役職員みんなで地域の人たちの話を聞き、そのうえでどういう方向がいいかをきちんと勉強して考えていこうということにしました。各支店単位で職員を集めてそれぞれの思いを聞きました。やはり役職員が同じ気持ちにならないと組合員に対してもきちんと説明できない。
 たとえば地域の真ん中にAコープをつくるというが、そんなことをやってもだめだろうなどと暗に匂わすような発言を職員がしては組合員が不安になるのは当然です。共通の認識を持ったうえで仕事をするという考え方が大事だということです。


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(2012.07.04)