日本の21年度食料自給率は40%です。国民1人1日当たりの供給熱量は2436kcal。その内、国内産食材が供給できる国内産熱量は、964kcalに過ぎません。もし、海外からの食料や飼料穀物の輸入がストップしたら、私たちの食卓はどんなメニューになるでしょう。
仮にいま、海外からの食料や家畜のエサになる飼料穀物の輸入が止まったら、私たち日本人は1人1日当たり964kcalのエネルギーしか摂取できなくなることを意味しています。この現実を考え、意識することが必要ではないでしょうか。
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米粉食品の普及には、「なぜ米粉食品なのか?」を、きちんと国民全体が意識を共有することが必要だと考えられます。それには農業資源をもっと有効に使い、無駄にしないことが必要です。
しかし、現状では水田が余っています。平成21年の水稲作付面積は162万haですが、全体の水田の耕地面積251万haから考えると6割程度しか作付けされていません。
また、耕地利用率はピーク時(昭和31年)に138%だったものが、平成20年度は92%です。すなわち8%の耕地は何も使われていないことになります。
現状の日本の農業、食料問題は、米を粉体にすることで解決出来るベクトルではないかと考えられます。
需要を増やさない限り、いくら米を作ってもどうしようもないわけで、その需要をどう増やすか。そのための作付面積は十分にあるわけですから。
そして米粉食品は、単に米を粉にして食品にすればいいのではなく、その原料に国内産米を使用しなければまったく意味がなくなってしまうのです。
(その2に続く)
【著者略歴】
はぎた・さとし 東京、大阪、名古屋、三重、福井、茨城、兵庫などで農林水産行政を歴任、2008年3月農林水産省近畿農政局兵庫農政事務所長退任、同年5月から(財)日本穀物検定協会参与、ほかNPO法人国内産米粉促進ネットワーク副理事長。
財団法人日本穀物検定協会参与、NPO法人国内産米粉促進ネットワーク副理事長