これまで粉と言えば小麦が中心でしたが、米を粉体にすることで、様々な食材として利用範囲は無限に拡がります。
米粉を小麦粉の代替品ではなく、新たな食材として捉えることが必要です。小麦粉の代替という観点だと単純なコスト比較に陥り、外国産米を使った米粉を使えばいい、となります。それでは新たなビジネスとしての魅力は半減です。
また、米粉のインセンティブは、国内の農業資源を使って自国の食料を確保するということが根底にあります。それは消費者の安心、こだわり、健康志向にも繋がります。消費者の中には「地産地消=安全性が高い」という認識が進んでいるので、そこに焦点をあてた商品開発や消費者への訴求がポイントになります。
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米粉の商品開発は、小麦粉商品に近づける必要はありません。
米粉を使ったうどんは、茹でるとコシがないといわれますが、それなら短くカットしてサラダ、パスタ感覚にしたらどうでしょうか。コシがないということは茹で時間が短くて済むということですから、調理に手間のかからないメニュー提案など、米粉食品の特徴を活かす工夫、発想が求められます。
まずは米粉の粉体特性や機能性を知り、上手く引き出すことが必要です。
例えば、米粉は油の吸収が小麦よりも抑えられる特徴があります。米粉で揚げた天ぷらは、油の吸収を抑えヘルシーでパリッとした食感になります。
高アミロースの米粉であれば食後血糖値の上昇を抑制する機能があり、紫黒米ならアントシアニン、赤米ならタンニンを多く含み、ともにポリフェノールが豊富です。さらに各種ビタミン類(B、E、P)などを含むため、健康食材としてアピールできる米粉食品ができあがります。
(その1はコチラから)
(その3に続く)
財団法人日本穀物検定協会参与、NPO法人国内産米粉促進ネットワーク副理事長