農産物のネット通販 3割が利用-日本公庫2016年3月8日
日本政策金融公庫農林水産事業は3月7日、ネット通販を利用した農産物の購入動向についての調査結果を発表した。
調査は今年1月に全国20歳代~70歳代の男女各1000人を対象に行った。
ネット通販で農林水産物を「購入したことがある」との回答は31.8%で約3割が購入経験者であることが分かった。年代別では20代(22.3%)、30代(22.5%)は20%台だが、40代以上は30%以上だった。ネット通販による農産物の購入は若い世代のほうが少ないという結果で、逆に70歳代以上でも33.9%が購入経験があると回答した。
ネット通販に関する情報の入手先については、20代は「友人等からの情報」25%、「SNS等」23.3%が他の世代にくらべて突出して多く、一方、70代は「インターネットの検索サイト」63.4%、「生産者のホームページ」41.6%、「会社、個人のHP」45.5%と高い。若い世代は友人やSNSなどで情報を入手しており、高齢世代は自らホームページで関心のある商品を検索サイトで探したり生産者のホームページにアクセスして購入している傾向がある。
ネット通販で購入する理由は男性では「価格が安いから」がもっとも多く44.2%だったが、女性では「店頭まで行く必要がなく楽だから」が48.3%ともっとも多かった。女性で次に多い回答は「一般的に販売しておらず、そこでしか購入できないものがあるから」が41.5%だった。
ネット通販で購入した農林水産物は、全体で「米」44.6%、「魚介類」38.6%、「果物」36.5%の順だった。女性では「米」48.9%、「果物」42.8%、「お茶」34.2%、「野菜」31.7%、「米加工品」29.2%などが男性よりも高い。
ネット通販で農林水産物を購入したことがある人のうち、今後について「現状維持」が79.5%、「増やしたい」が15.1%で9割が今後も利用する意向を示した。
ネット通販の事業者に期待することは「生産者や商品の情報をもっと提供してほしい」がもっとも多く全体で34.7%だった。
男女別では男性は「商品の価格をより安くしてほしい」が20.1%で女性(14.9%)より多い。一方、女性は「配送料を安くしてほしい」が27.0%で男性(20.2%)より高かった。先に紹介したように女性ではネット通販を利用する理由として「そこでしか購入できないものがあるから」が高かったことを考えると、女性は「商品の価値を評価してきちんと対価は払うが、より経済的、継続的に利用するには配送料を安くしてほしい、ということではないか」と日本公庫では分析している。また、「情報をもっと提供してほしい」との期待が全体としてもっとも多かったことから「生産サイドからの商品説明がもっと求められている。高齢世代は自ら生産者のホームページを検索していることも多いことが示されたことから、分かりやすいホームページも求められるのではないか」と話している。
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