「割高でも国産品を選ぶ」6割 消費者の食の志向調査 日本公庫2016年3月9日
日本政策金融公庫農林水産事業は今年1月に実施した「食の志向」などについての27年度下半期消費者動向調査を2月29日にまとめた。
消費者の現在の食の志向で最も回答が多かったのは「健康志向」41.7%だった。平成23年に行われた調査から引き続き4割以上の人が健康を意識していることが分かった。次いで「経済性志向」「簡便化志向」などが多かった。
(図:年代別 現在の食の志向)
食の志向を年代別に見ると、50代から特に「健康志向」を意識していることがわかる。また簡便化志向では20代が最も回答が多く、生活の中で時間をかけずに食事をしたいという現れのように取れる。
今後の食の志向を尋ねたところ、現在の志向と同じ「健康志向」「経済性志向」「簡便化志向」の順で回答が多かった。「健康志向」では、現在の志向から2.9ポイント上昇。また「安全志向」も、その他の志向が現在の志向以下となっている中で0.9ポイントとわずかに上昇している点から、日本公庫は「健康志向」と「安全志向」が今後高まるのではと分析している。
◆外食の際、国産かを気に掛ける 4割
食料品を購入するとき、国産かを気にかけると答えた人は77.9%だった。22年から行われている同調査では毎回7割以上の人が気にかけていると答えていることが分かった。
外食をするときに国産かを気にかけると答えた人は41.9%、気にかけないと答えた人は50.0%、外食しないと答えた人は8.1%だった。気にかけると答えた人は前年より2.8ポイントの上昇。また24年の調査から気にかける人が増加傾向にあることが分かった。日本公庫の担当者は「特に安価で食事を提供している店では輸入品が多く使われている場合が多い。『国産』をPRするレストランも増えてきている中で、『自分が食べているものは何なのか』疑問を持つ消費者が増えたのでは」と話した。
国産食品と輸入食品についてのイメージは、輸入食品に比べ国産食品は価格が「高い」が安全でおいしいという評価が高かった。また見た目についても約5割の人が「色・形が良い」と答えている。
輸入品と比べ「割高でも国産品を選ぶ」と答えた人は前回より1.3ポイント減少したが、高い割合の62.8%だった。日本公庫では国産支持の傾向が継続していると分析している。
調査は全国の20~70歳代の男女各1000人、計2000人を対象にインターネットによるアンケートを行ったもの。
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