生乳取引のあり方 9月末結論-農水省の検討会2015年7月22日
農林水産省は「生乳取引のあり方等検討会」の第1回会合を7月21日に開いた。今後、4回会合を開き9月末には結論を出す。
検討会は自民党が7月9日にまとめた「今後の生乳流通・取引等のあり方について」を受けて設置された。
自民党の議論では、生産者団体から生乳取引について、▽乳価改定時期が遅くなっている。▽乳価交渉に使用する統計データの提供に何らかの工夫ができないか、交渉の過程が不透明などの意見があったほか、乳業者からは▽小売業者の理解を得るため乳価引き上げに一定の期間が必要、▽地域密着の多様な生乳取引が必要、などの意見が出ていた。
この日の検討会では、農水省がこうした自民党の議論ととりまとめ経過を説明し、5項目の検討事項を提示した。
(1)乳価改定が適切に行われるための交渉期限の設定や地域ごとの生産コスト等をふまえた乳価交渉のあり方。
(2)生産費調査を補完する直近の生産資材等の統計データの提供方法。
(3)乳価交渉の結果やその経過並びに根拠等の生産者への周知方法等。
(4)多様な消費者ニーズへの対応のため特色ある生乳のプレミアム取引の積極的な活用。
(5)現在の需給動向を適切に反映し得る生乳の入札制度への導入に向けた具体的な対応。
座長に選ばれた前田浩史・Jミルク専務は「9月末までにとりまとめたい」と方針を示し了承された。会合での議論で委員から追加的な検討事項の提案もあったという。次回は8月7日。項目ごとに議論を整理していく。委員は以下のとおり。
【生乳取引のあり方等検討会委員】(五十音順)
▽秋山佐内(関東生乳販連業務部長)
▽安部強(東北生乳販連業務部長)
▽内橋政敏(中央酪農会議事務局長)
▽岡村卓司(JA全農酪農部長)
▽木島俊行(明治酪農部長)
▽小板橋正人(雪印メグミルク酪農部長)
▽近藤好弘(ホクレン酪農部長)
▽篠崎晃司(タカナシ乳業酪農購買部長)
▽白川公一(乳業協会専務理事)
▽田村賢(森永乳業酪農部長)
▽戸辺誠司(全酪連酪農部長)
▽中田俊之(トモヱ乳業代表取締役社長)
▽新田修(よつ葉乳業酪農G部長)
▽稗島喜美男(九州生乳販連販売部長)
▽座長=前田浩史(Jミルク専務理事)
▽吉澤文治郎(ひまわり乳業代表取締役社長)
(写真)第1回生乳取引のあり方検討会のようす
(関連記事)
・生乳取引のあり方検討会、7月中に立ち上げ-農水省 (15.07.10)
重要な記事
最新の記事
-
【座談会】JA全青協OBの思い 経験が糧に(2)生産者の声 発信が大切2025年2月27日
-
【座談会】JA全青協OBの思い 経験が糧に(3)先が分かる経営者たれ2025年2月27日
-
日本の食の未来へ「前進あるのみ」 第71回JA全国青年大会が開幕2025年2月27日
-
バイオスティミュラント表示のガイドライン パブリックコメントの募集へ 農水省2025年2月27日
-
社員が米づくり 海外店舗へ輸出 プレナス2025年2月27日
-
23年の農作業事故死亡者数が高水準に 熱中症、未熟練作業者に専用研修など強化 農水省2025年2月27日
-
花が咲いていない真冬のチューリップ祭り【花づくりの現場から 宇田明】第54回2025年2月27日
-
「故郷」を後にする老人のつぶやき【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第330回2025年2月27日
-
大分県のねぎ産出額100億円達成、生産振興大会を開催 JA全農おおいた2025年2月27日
-
スキムミルク使用「一条もんこの明日も食べたい モゥ~っとミルクのキーマカレー」新発売 JA全農2025年2月27日
-
岩手県大船渡市の大規模火災への相談対応 JAバンク、JFマリンバンク2025年2月27日
-
農家向け栽培管理アプリ「Agrihub」に新機能「AI栽培レポート」追加 アグリハブ2025年2月27日
-
千葉県香取市 移住・広報・農業・観光の4分野で地域おこし協力隊を募集2025年2月27日
-
JSS蚕糸の日2025「国産蚕糸・絹の価値とは」開催 日本サステナブルシルク協会2025年2月27日
-
「ノウキナビ」自社配送サービス開始 中古農機具も自宅まで配達 唐沢農機2025年2月27日
-
適用拡大情報 殺虫剤「日曹フェニックスフロアブル」 日本曹達2025年2月27日
-
「米5kgはお茶碗76杯分」小売店向け訴求POPデータに新デザイン アサヒパック2025年2月27日
-
北洋銀行と農業融資分野におけるCDS基本契約締結 日本公庫2025年2月27日
-
藤沢の配送センターで地域交流イベント開催 パルシステム神奈川2025年2月27日
-
東日本大震災 被災地ゆかりのゲストが語るオンラインイベント開催 パルシステム東京2025年2月27日