「『よりよい社会』を胸に」2015年12月24日
JA研究賞の受賞の北出氏
JA全中は12月22日、平成27年度「JA研究賞」の授賞式を行い(一社)農協協会の北出俊昭理事(元明治大教授)に賞状を送った。式後の記者レクチャーで「協同組合の基本的な理念は、よりよい社会をつくることにある。農協改革が取りざたされるなかで、このことを改めて認識してほしい」と、執筆の意図を強調した。
授賞した著書は『農協は協同組合である』。「産業組合と戦前の農業団体」「農協の『農民主体』と組合員問題」「農協の規模拡大と組織・事業・経営」「農協組織の農政運動と地域農業政策」「現在における協同組合と農協組織の役割」の各章からなる。
「国策でできた日本の農協は、社会をよくする、幸せをつくるという理念が不十分だと感じていた」と言う。協同組合の原則の説明だけでなく、「実践的課題を明確にすることが大事だ」と指摘。従って理論書ではなく、著者の26年間のJA全中の職員の経験から、「協同組合原則の説明だけではなく実践的課題を明確に示した」と言う。
特に今日の農協が地域の生活インフラとしての役割を果たしている実態から、今後の方向として、准組合員をはじめ、地域住民との連携の重要性を明らかにし、「農業を基軸とした『職能的地域組合』を目指すべきだ」と指摘した。
また、ILO勧告が示したディーゼント(働き甲斐のある人間らしい仕事)のあり方を挙げ、「改革」の主体としての農協の役職員の重要性を強調。「よりよい世の中をつくるのだという気持ちを胸に、仕事に励んで」ほしいとエールを送った。
(写真)受賞後、自著について語る北出氏
(関連記事)
・27年度JA研究賞に北出俊昭氏 (2015.12.07)
・国民を無視した亡国のTPP合意(2015.10.21)
・農協は協同組合である 歴史からみた課題と展望(2015.05.18)
・【農業・農協改革、その狙いと背景】設立過程から見た中央会と農協「改革」 北出俊昭・明治大学元教授(2014.12.12)
・【追悼・山口巖さん】農協人の気概と誇り示す(2014.10.10)
重要な記事
最新の記事
-
米価 過去10年で最高値 60kg1万5865円 対前年比114%2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(2)DX戦略にも地域色拡充2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(3)JAは食・農の好循環先導を2024年7月17日
-
「小さな協同」実践 JA松本ハイランドの自己改革 新世紀JA研究会全国セミナー2024年7月17日
-
「きっトラ」と「もし寅」【小松泰信・地方の眼力】2024年7月17日
-
【訃報】生活クラブ生協連の加藤好一顧問が逝去2024年7月17日
-
【人事異動】農水省(7月16日付)2024年7月17日
-
【注意報】ナシ、ブドウなどに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 三重県2024年7月17日
-
ガチャピン・ムックとコラボ「ニッポンエール」グミ発売 JA全農2024年7月17日
-
日本農業の未来をけん引する人材育成へ 宮城県加美農業高校とNTT東日本グループが連携2024年7月17日
-
唐沢農機サービス「夏の大展示会」開催 200台を超える農機具を展示2024年7月17日
-
【注意報】大型斑点米カメムシ類、カスミカメムシ類による斑点米発生に注意 千葉県2024年7月17日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 岩手県2024年7月17日
-
「第3回 全国桃選手権」開催 全国から45品がエントリー 日本野菜ソムリエ協会2024年7月17日
-
ハウス栽培向け環境制御システムのラインアップを拡充 クボタ2024年7月17日
-
【役員人事】石巻埠頭サイロ(4月1日付)2024年7月17日
-
葉の光合成速度の低コスト・低労力・高速推定法を開発 農研機構2024年7月17日
-
表参道で佐賀県産「いちごさん」絶品ひんやりスイーツ「いちごさんどう2024夏 」開催2024年7月17日
-
長野県塩尻市と山口県岩国市の歴史的風致維持向上計画を認定 農水省など2024年7月17日
-
生とうもろこしまるかじり 昭和村で農業体験開催 パルシステム群馬2024年7月17日