大震災が「遠い記憶に」 -東日本大震災について意識調査 JA全中調べ2016年2月19日
JA全中は20~60歳代の男女1000人に「5年を迎える東日本大震災に関する意識調査」を1月に行い、2月19日にまとめた。復興支援として「被災地産の物を買うことが大事」と回答した人は8割だった。
東日本大震災から5年。
震災について忘れがちになっているかという問いに対して、「忘れがちだ」と答えた人が21.9%、「やや忘れがちだ」が52.5%で、計74.4%の人にとって遠い記憶となっていると分かった。平成25年12月に行われた調査の同じ問いで、忘れがちになっていると答えた人は64.8%だったため、年月の経過とともに増加傾向であることが分かった。
前年より復興が進んだと感じるかについては、「進んだ」が7.4%、「やや進んだ」が38.3%で計45.7%。「あまり進んでない」が46.3%、「進んでない」が8.0%で計54.3%。復興の進み具合について約半数の感じ方で分かれていることが分かった。これは25年、27年に行われた調査の回答と、さほど変化はなかった。
◆復興支援に不足 農畜産物購入・旅行
(表1:被災地のために現在も続けている支援活動)
表1は被災した3県とそれ以外の県の回答について分けて表示してある。特になしという回答が61.0%と目立つ結果になった。また被災した3県のほうが、より支援について積極的だとわかる。
(表2:震災復興に対して不足していると思う支援、エリア別前回結果との比較)
復興について不足していると思う支援について、特に被災3県で「被災地への旅行」という回答が前回の調査より倍増。農畜産物の購入でも増加の傾向がみられた。経済的効果を待望しているのではないかと全中は分析している。また「特になし」という回答が被災3県で大幅に増加しており、復興が進んだ一面と見れるともまとめている。
◆食品購入時「被災地産、買い控える」 約2割
被災地以外の人に、今後復興支援に協力したいか尋ねると「きっかけがあれば、できる範囲で協力したい」と答えた人が54.4%だった。より具体的に「ボランティアや募金など、直接被災地にかかわる方法で、積極的に協力したい」が6.1%、「被災地の農畜産物を購入するなど、日常生活の中で、意識的に協力したい」が54.4%、「特に、協力するつもりはない」が17.7%だった。約8割の人が協力の意向を示していることが分かった。
復興支援として被災地の物を買うことが今後も大事と思うかと尋ねたところ「はい」と答えた人が79.7%だった。
(表3:震災から5年経過し、現在食品購入時、被災地産であることを気にして買うのを控えることはあるか)
表3のように、震災直後や時間の経過とともに被災地産であることを気にしなくなってきたと答えた人が8割ほどいるのに対し、依然買い控えをしている人が2割いることが分かった。
◆災害へ危機感 自然災害起きる7割
自分の暮らしている場所で近い将来大きな自然災害が起きる可能性が「高いと思う」と答えた人は26.5%だった。「やや高いと思う」と答えた人が43.7%、「あまりそう思わない」が24.5%、「そう思わない」が5.3%だった。計7割の人が自然災害が起こるのではと考えていることが分かった。
(表4:自宅で自然災害に備えて備蓄している食料)
表4を見ると、飲料水を備蓄している人が約半数いるのに対し、「特になし」と答えた人が40.4%いることが分かった。
災害に備えて備蓄している人に、何日分くらいを想定しているか尋ねたところ、最も多かった順に「3~4日」が39.9%、「5~7日」が18.5%、「2日」が16.8%と続いた。「具体的に(日数を)考えていない」と答えた人は12.4%だった。
備蓄している食料は、賞味期限を時折確認するなど、メンテナンスにも注意を払っていただきたい。
(JA全中調べ)
(関連記事)
・JAあいち中央が大賞受賞 平成27年度JA広報大賞 JA全中 (16.02.18)
・畜産・酪農 応援キャンペーンを実施-JA全中 (16.02.10)
・生産基盤の強化に向け畜産経営継承支援事業を強化 JA全中 (16.02.09)
・第45回日本農業賞 受賞者決定 JA全中・NHK (16.02.01)
・組合員・職員満足の職場を JA全中が研修会 (16.01.25)
重要な記事
最新の記事
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日
-
厚木・世田谷・北海道オホーツクの3キャンパスで収穫祭を開催 東京農大2024年11月22日
-
大気中の窒素を植物に有効利用 バイオスティミュラント「エヌキャッチ」新発売 ファイトクローム2024年11月22日
-
融雪剤・沿岸地域の潮風に高い洗浄効果「MUFB温水洗浄機」網走バスに導入 丸山製作所2024年11月22日
-
農薬散布を効率化 最新ドローンなど無料実演セミナー 九州3会場で開催 セキド2024年11月22日
-
能登半島地震緊急支援募金で中間報告 生産者や支援者が現状を紹介 パルシステム連合会2024年11月22日