新たな中央会 9月から議論本格化-JA全中2016年4月21日
JA全中の比嘉正浩専務理事は4月20日の記者懇談会で、改正農協法で組織移行することになっている新たな中央会体制について、9月からJAグループで検討を始め、議論をふまえて来年3月の通常総会に新中央会の体制・機能などについて一定の姿を提示する考えを示した。
改正農協法の施行によって、全中は平成31年9月までに一般社団法人に組織変更する。また、同時期までに都道府県中央会も連合会に組織変更する。
比嘉専務は来年3月の全中通常総会で新たな中央会について一定の姿を提示する方針だとして、9月から県中央会と全国機関などで正式に意見交換を開始することを明らかにした。また、昨年も開いたJA組合長会議を今年も11月から年末にかけて全国6ブロックで開催し、新たな中央会のあり方についてJAトップ層の意見を聞いていくという。
比嘉専務は「全中の姿だけの議論では不十分。県中との役割分担、他の全国機関との関係などを整理しながら議論していく」と話す。
第27回JA全国大会決議には「JAグループの結集軸としての新たな中央会の構築」が盛り込まれている。
大会決議では中央会の使命として、協同組合理念を普及し組合員の共通の意思を民主的に結集し徹底するなど、「地域・事業の枠を超えて連帯する結集軸として農業協同組合員運動の発展に貢献する」としている。またJA自己改革の徹底支援も挙げている。
機能としてはJAグループを代表する機能、JAグループの総合力を発揮するための総合調整機能、JAの組織・事業・経営について協同組合の特質をふまえた相談と支援、の3つを掲げている。
事業としては▽担い手対応の強化、▽営農・経済事業の改革支援、▽JAの課題解決、積極的事業展開を支える経営相談・監査(県中)、▽協同組合運動の実践に向けた教育、▽組合員・JAが求める農業政策の実現に向けた意見の積み上げと政策提言、▽国民的理解の促進に向けた広報活動、などを挙げている。
◆TPP対策 具体化を
また、比嘉専務は今国会での成立が見込まれなくなったTPP協定と関連法案について「農業生産者のみなさんにはまだ不安がある。国会議員には徹底した審議をお願いしたい。議論を通じてもっと踏み込んだ情報が明らかになり、それが生産者に伝わっていってほしいと考えている」と述べた。
一方でTPPの国会審議で、森山農相をはじめ政府は「必要であればさらに政策を検討すると言っている」と指摘、また現行の「食料・農業・農村基本計画」についても食料自給率目標45%などの目標を見直さない方針であることから、「(国内農業生産の拡大と自給率向上を実現するという)その方向をふまえて政策の具体化を。われわれの意見もおおいに聞いて、順次具体化をしていっていただきたい」と政策の早期具体化を求めた。
(JA全中の関連記事)
・共同施設と物流 JAの実態を調査-全中 (16.04.21)
・JAが全力で被災地域支援-全中がコメント (16.04.19)
・熊本地震で全中が対策本部設置 (16.04.15)
・組合員視点で改革を-JA全中・奥野会長 (16.04.08)
・「くらしの活動」再構築へ JA全中が推進方策 (16.04.08)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(125) -改正食料・農業・農村基本法(11)-2025年1月18日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (42) 【防除学習帖】第281回2025年1月18日
-
農薬の正しい使い方(15)【今さら聞けない営農情報】第281回2025年1月18日
-
イタリアはラーメンブーム【イタリア通信】2025年1月18日
-
「一揆は対立ではなく連携へののろし」 この機逃せば農村消える 山形県の農家・菅野芳秀さん2025年1月17日
-
鳥インフルエンザ続発 愛知で国内30例目、千葉で31例目2025年1月17日
-
米の作況指数 「農水省発表マイナス5が新潟の実感」 新潟大・伊藤助教が指摘2025年1月17日
-
鳥インフル 米デラウェア州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月17日
-
令和6年度スマート農業アクセラレーションサミット開催 JA全農2025年1月17日
-
(418)日本初のグローバル化の功罪【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年1月17日
-
【JAトップ提言2025】有機農業で次代に活路 JA常陸組合長 秋山豊氏2025年1月17日
-
【JAトップ提言2025】環境と農業の両立に的 JA秋田中央会会長 小松忠彦氏2025年1月17日
-
生産者にZ‐GIS活用講習会 JA全農2025年1月17日
-
JA広報大賞 JAふくしま未来に決定 JA全中2025年1月17日
-
農業界特化就活フェア「あぐりナビ就活FES.」東京、大阪で開催 アグリメディア2025年1月17日
-
「2024年度 GAPシンポジウム」開催 日本生産者GAP協会2025年1月17日
-
適用拡大情報 殺虫剤「ベリマークSC」 FMC2025年1月17日
-
適用拡大情報 殺虫剤「ベネビアOD」 FMC2025年1月17日
-
日本生協連「くらしと生協」包丁研ぎの魅力を伝えるアニメ動画を公開2025年1月17日
-
東大阪農業PR大使・シャンプーハットてつじ密着取材「ピカッと東大阪」で公開2025年1月17日