耕作放棄地対策に貢献-(有)信州うえだファーム2017年6月5日
農林水産大臣賞を受賞
長野県のJA信州うえだが設立した(有)信州うえだファームが第9回耕作放棄地発生防止・解消活動表彰事業」で農林水産大臣賞を受賞した。新規就農者の育成と借り手がいないブドウ園の栽培管理を結びつけるなどの取り組みが評価された。
この賞は(一社)全国農業会議所が農林水産省の後援で平成20年度から実施している。
今回は全国から24件の応募があり中央審査会(会長:井上和衛明大名誉教授)の審査の結果、長野県の(有)信州うえだファームが農林水産大臣賞に選ばれた。
同法人はJA信州うえだがJA自ら農業生産と農地維持管理、担い手育成に取り組もうとJA出資で平成12年に設立。そのなかで重点事項として平成21年から新規就農者育成事業に取り組んできた。
地域では高齢化などで営農が続けられなくなった農地が増えており、それを法人が借り受けて研修生に提供して栽培技術などを育成し、就農する際にその農地を引き継ぐ。露地・施設野菜、果樹、ワイン用ブドウをあわせて、昨年12月までに31人の研修生を受け入れ11人が独立就農した。
とくに樹園地の荒廃が進んでいることから、長野県産ワインを発信する同県の信州ワインバレー構想と連携して、ブドウ栽培だけでなくワイン醸造などの知識と技術を習得できる仕組みを活用し研修生を受け入れ、樹園地の維持・継承につなげてきた。
法人が借り受けた樹園地は状況に応じて改植を行い、樹園地の若返りを図って新規就農者が独立就農しやすい条件も整えている。
これらの取り組みにより27年度までの間に10.1haの耕作放棄地を解消し、11.9haの農地を耕作放棄地化から未然に防いだ。
中央審査会は樹園地継承事業のほか、学校給食用のジャガイモ、タマネギなどの栽培や地域ブランドとなり得る農産物の生産に関する実証試験も行っていることなども評価した。
農林振興局長賞には岩手県の遠野市農業委員会、全国農業会議所会長特別賞には静岡県のJAとぴあ浜松(株)とぴあふぁー夢、熊本県の(有)寺本果実園が選ばれた。表彰式は5月29日の全国農業委員会会長大会で行われた。
(関連記事)
・荒廃園地にブドウ ワイナリー視野に担い手 長野・JA信州うえだ直営農場 (16.12.09)
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