「食料安保」を明確に JAグループ政策確立大会2018年6月8日
・信用事業譲渡はJAの判断で
JA全中は6月7日、東京都千代田区平河町の砂防会館で平成30年食料・農業・地域政策確立全国大会を開いた。全国から組合長を中心とするJA常勤役員ら約850人が参加し、JAの創造的自己改革の完遂に向けて決意を新たにするとともに、自民・公明の与党の政策責任者に対し、JAグループの政策を実現するよう訴えた。特に食料安保の明確化、准組合員対策などで意見があった。
(写真)政府与党と意見交換した政策確立大会
大会では、全中の中家徹会長が、食料自給率の低下で、日本の食の安定供給が危機的状況にあることを強調し、「JAグループが取り組んでいる創造的自己改革を完遂しなければならない」とあいさつ。「現場の農家の切実な声を政策に反映させるよう全力で取り組む」と決意を述べた。
自民党の二階俊博幹事長は、今年の春、自民党の国会議員約30人が東京の青梅市で田植えをしたことを紹介し、「少しでも農業のことを知ることが大切だ」と強調。農業問題に真剣に取り組むという党の姿勢をアピールした。
食料の安定供給については「不測の事態が起きても直ちに対応できるよう、食料の安全保障に責任を持つ」と強調。また、JAの信用事業譲渡については、「これは組合員が判断することだ」との考えを示した。公明党の井上義久幹事長は農業経営安定のため収入保険制度の意義、農畜産物輸出拡大の必要性などを強調した。
参加者からは、「スイスのように食料安保を憲法で明記すべきだ」(北海道のJA)や、集落営農への支援を求める意見があった。また、准組合員のJA事業利用制限について、平成33年3月に一定の結論を出すことになっているが「(自己改革も)それにおびえながらでは不安がある」(大阪府のJA)との声があった。
JAグループが予定している全組合員へのアンケート調査では「JA内部だけのアンケートでは、結果をどう評価するのかが難しい。両刃の剣になる恐れがある」(長野県のJA)などの意見があった。
◆総合事業を守る
最後に、決意表明でJAにいがた南蒲の吉田文彦経営管理委員会会長は、JAの先頭に立って園芸の振興など農業所得の増大に努めていることを紹介し、「こうした取り組みはJAの金融・共済などの総合事業があってできることだ。農協改革で指摘されたことで、変えるべきは変え、守るべきことは自信をもって守っていこう」と述べた。
(写真)吉田文彦・JAにいがた南蒲経営管理委員会会長
◆農業者の誇りを
また、JA全青協の水野喜徳会長は、「10年、20年後も営農を続けるため、農地や地域の維持は欠かせない。その中でJAは大切な存在。食料の安定供給は農業者の誇りであり、責務である。農業を次世代につないでいくため頑張る」と決意を表明した。
(写真)水野喜徳・JA全青協会長
(関連記事)
・食料安保政策の確立を-JAグループの政策提案(18.06.08)
重要な記事
最新の記事
-
豊かな食届ける役割胸に(2) ホクレン(北海道)会長 篠原末治氏【未来視座 JAトップインタビュー】2024年12月24日
-
【特殊報】メロン退緑黄化病の発生 県内で初めて確認 兵庫県2024年12月24日
-
【特殊報】ナシ果実にサクセスキクイムシによる被害 県内で初めて確認 福島県2024年12月24日
-
【特殊報】キュウリ退緑黄化病 県内で初確認 タバココナジラミの防除徹底を 福島県2024年12月24日
-
森トラストが老舗ベーカリーの浅野屋をグループ傘下に 子会社の万平ホテルが株式取得2024年12月24日
-
「ミルク&ナチュラルチーズフェア2025」を帯広と札幌で開催 ホクレン2024年12月24日
-
第1回「令和6年度国内肥料資源利用拡大アワード」受賞者決定 日本有機資源協会2024年12月24日
-
多収大豆品種「そらみずき」「そらみのり」を開発 2024農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2024年12月24日
-
鳥インフル 米ノースダコタ州、サウスダコタ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年12月24日
-
多収穫米への関心が高まった業務用米セミナー【熊野孝文・米マーケット情報】2024年12月24日
-
【役員人事】日本曹達(2025年1月1日付)2024年12月24日
-
2年目を迎えた「国産DAY」国産農畜産物を選んで食べる新習慣が着実に浸透 JAグループ2024年12月24日
-
三重県いちご共進会開く 期待の新品種「うた乃」も初出品 三重県園芸振興協会2024年12月24日
-
【役員人事】北興化学工業(2025年1月1日付)2024年12月24日
-
環境計測と農業の革新技術 SDI-12対応「POC-SDI12小型USBモジュール」販売開始2024年12月24日
-
おにぎりの世界を知る「おにぎりサミット2025」開催 11自治体が参加2024年12月24日
-
「ポケットマルシェ」2024年の生産者ランキング発表 総合1位は愛媛の柑橘農家2024年12月24日
-
ブロードキャスターCF-D・CFA-DシリーズでBFトラクタシリーズ向け専用オプションをササキより発売 井関農機2024年12月24日
-
有機JAS認証取得の有機純米料理酒「自然派Style」から登場 コープ自然派2024年12月24日
-
平日クリスマスに厳選フルーツ「ピースタルト」8種 「フルーツピークス」全店販売2024年12月24日