JA大会議案策定の基本的考え方決める JA全中2018年9月27日
JA全中は9月6日の理事会で「大会議案策定にあたっての基本的考え方」を決めた。都道府県のJA大会議案の検討にあたってJAグループ全体としての情勢認識と今後の取り組み方向を共有するためにとりまとめた。基本的な取り組みでは、多様なニーズを持つ組合員との徹底した話し合いを通じて、具体的な事業などを立案、実践し農業者の所得増大、農業生産の拡大の実現にさらに挑戦することなどが強調されている。
第28回JA全国大会は平成31年の3月に開催予定で、それに先行してこの秋から各都道府県ではJA大会が開催される。それらの決議をふまえ全国大会ではJAグループに共通する実践方針を決議することにしている。 次期JA大会の実践期間は2019~21年度となる。この3年はこれまでのJA自己改革の実績と組合員からの評価、今後のさらなる取り組みが問われる期間となる。そのため前回大会で掲げた「創造的自己改革への挑戦」を今回は「創造的自己改革の実践」を主題として、さらに「農業者の所得増大」、「農業生産の拡大」をめざすとしている。 そのため多様化する組合員のニーズに対応し、組合員の属性や特性に応じていくつかの類型に分けることを提起している。「基本的考え方」では正組合員は(1)地域農業をリードする「担い手経営体」(販売金額1000万円以上)、(2)地域農業を支える「中核的担い手」(同300万円以上)、(3)地域・農村を支える「多様な担い手」(同300万円未満)の3類型、准組合員は(4)地域・農村を共に支える准組合員(パートナー)、(5)地域農業を応援する准組合員(サポーター)の2類型のあわせて5類型を示した。
准組合員のうち(4)は地域農業振興の応援団と位置づけている准組合員のなかでも、事業利用や組織活動などを通じてJAへの意思反映に関心があったり、日常的な付き合いが深い准組合員と位置づけている。
◆組合員と日常的に対話を
こうした類型に分け、それぞれのニーズを整理したうえで、ニーズに合った取り組みを検討、これまでの事業モデルからの転換にも挑戦し、それによってJAに対する理解と評価を高めるよう、JA役職員は組合員と徹底して「対話」し関係強化を図ることも基本的な考え方で示した。
実践期間におけるJAグループの重点事項は▽「農業者の所得増大」、「農業生産の拡大」へのさらなる挑戦、▽連携による「地域の活性化」への貢献、▽「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」の実現に向けた組織・経営基盤の確立・強化。
このうち農業者の所得増大の取り組みでは、
担い手の多様なニーズに対応する複数の事業モデルを実践することを提起している。たとえば同じ作物別部会でも、市場出荷と直販・契約取引など複線化した販売事業や、一方で担い手経営体個々には総合的な事業提案を行うなどの取り組みであり、事業モデルの転換を図ることにもなる。
農業生産の拡大対策では若者の田園回帰の動きも捉え、農外新規就農者の拡大支援、JA出資型農業法人による新規就農者受け入れなどにも力を入れる。
地域の活性化への貢献では、農村に住むだけでなく、地域やその地域の人々と多様に関わる最近の「関係人口」づくりの動きにも着目し、JAが地域に持つ多数の拠点と総合事業、協同活動を最大限活用したサービス提供やサポート機能を発揮していく必要性も強調している。
組織・経営基盤の強化では事業モデルの転換で販売事業を中心にすべての事業で効率化、生産性の向上に取り組み持続可能な経営基盤の確立を徹底する。また、組合員の声と意思結集に基づき、政府による准組合員の事業利用規制の検討を跳ね返す運動を展開する。
(関連記事)
・【リレー談話室・JAの現場から】命を守る協同組合運動(18.09.15)
・JA大会の「基本的考え方」を組織協議-JAグループ(18.06.19)
・【座談会・女性が創る農協運動】「なりたい私たち!」その思い JAで実現(前編)(18.01.25)
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