JAの活動:年頭あいさつ2018
中家 徹 氏(全国農業協同組合中央会 会長)2018年1月1日
JAグループの自己改革は使命
新年にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。
昨年は、台風や集中豪雨など、全国各地で多くの皆様が自然災害に見舞われております。被害にあわれた皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
さて、現在、JAグループは、3つの危機にあると認識しています。1つ目は、「農業・農村の危機」、2つ目は、「組織・事業・経営の危機」、最後に「協同組合の危機」であります。
高齢化や担い手不足などにより、農業・農村の基盤は縮小するとともに、JAグループの組織基盤が弱体化し、各事業の取り扱いが減少して、JAの経営も悪化傾向にあります。そして、今般の農協改革にまつわる批判には、協同組合を否定するようなものもあります。
本年は、第27回JA全国大会決議実践の最終年であり、これら危機による負のスパイラルを止めるためにも、「農業者の所得増大」、「農業生産の拡大」、「地域の活性化」の実現に向けた、JAグループの自己改革を成し遂げることが最大の使命と考えております。
全中としましても、JAグループが一枚岩となるべく、JA-県段階-全国段階という縦軸と、中央会・連合会の横軸の連携強化が図れるよう、組合員・地域住民・JA・会員など皆様からの声を十分踏まえ、今日のピンチをこれからのチャンスに変える絶好の機会として、粉骨砕身、全力を尽くしてまいる所存であります。
一方、日本農業の生産基盤弱体化は待ったなしの状況にあります。直近の食料自給率は38%に低下し、先進国の中で最も低い水準です。今後いくら増産しようとしても、「つくる力」、すなわち「自給力」が失われかねない状況です。
先般、スイスで食料安全保障の大切さを盛り込んだ憲法改正が、国民の8割の賛成を得て行われました。また、韓国では、農協中央会の主導により、農業の公的価値を憲法に盛り込むための署名運動が行われており、約1ヶ月間で、人口の約2割にあたる1千万人を超える署名が集まっています。
こうした中、日本においては、「食料・農業・農村基本法」の中で、「食料の安定供給の確保」が明記されていますが、我々の命の源となる「食」について、改めて、国民・消費者の皆様とともに、考えてまいる所存であります。
本年も引き続き、JAグループならびに本会の取り組みや事業運営につきましてご理解とご協力を賜りますことをお願いし、年頭にあたってのご挨拶とさせていただきます。
(関連記事)
・政策決定過程「整理し直す必要がある」-JA全中・中家会長(17.12.08)
・中家徹JA全中会長インタビュー 自己改革で新たな協同組合づくり(17.10.13)
・直接支払交付金廃止の代わりを 中家全中会長(17.09.07)
・自己改革達成に決意 中家全中会長就任パーティ(17.09.06)
・【顔写真・略歴入り】JA全中の新常勤役員(17.08.21)
・中家徹JA全中会長が就任記者会見(17.08.10)
重要な記事
最新の記事
-
【座談会】JA全青協OBの思い 経験が糧に(2)生産者の声 発信が大切2025年2月27日
-
【座談会】JA全青協OBの思い 経験が糧に(3)先が分かる経営者たれ2025年2月27日
-
日本の食の未来へ「前進あるのみ」 第71回JA全国青年大会が開幕2025年2月27日
-
バイオスティミュラント表示のガイドライン パブリックコメントの募集へ 農水省2025年2月27日
-
社員が米づくり 海外店舗へ輸出 プレナス2025年2月27日
-
23年の農作業事故死亡者数が高水準に 熱中症、未熟練作業者に専用研修など強化 農水省2025年2月27日
-
花が咲いていない真冬のチューリップ祭り【花づくりの現場から 宇田明】第54回2025年2月27日
-
「故郷」を後にする老人のつぶやき【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第330回2025年2月27日
-
大分県のねぎ産出額100億円達成、生産振興大会を開催 JA全農おおいた2025年2月27日
-
スキムミルク使用「一条もんこの明日も食べたい モゥ~っとミルクのキーマカレー」新発売 JA全農2025年2月27日
-
岩手県大船渡市の大規模火災への相談対応 JAバンク、JFマリンバンク2025年2月27日
-
農家向け栽培管理アプリ「Agrihub」に新機能「AI栽培レポート」追加 アグリハブ2025年2月27日
-
千葉県香取市 移住・広報・農業・観光の4分野で地域おこし協力隊を募集2025年2月27日
-
JSS蚕糸の日2025「国産蚕糸・絹の価値とは」開催 日本サステナブルシルク協会2025年2月27日
-
「ノウキナビ」自社配送サービス開始 中古農機具も自宅まで配達 唐沢農機2025年2月27日
-
適用拡大情報 殺虫剤「日曹フェニックスフロアブル」 日本曹達2025年2月27日
-
「米5kgはお茶碗76杯分」小売店向け訴求POPデータに新デザイン アサヒパック2025年2月27日
-
北洋銀行と農業融資分野におけるCDS基本契約締結 日本公庫2025年2月27日
-
藤沢の配送センターで地域交流イベント開催 パルシステム神奈川2025年2月27日
-
東日本大震災 被災地ゆかりのゲストが語るオンラインイベント開催 パルシステム東京2025年2月27日