JAの活動:第64回JA全国青年大会特集
JAの力の源泉は、盟友の皆さん【中家徹・全国農業協同組合中央会会長】2018年2月15日
・第64回JA全国青年大会の開催に寄せて
全国農協青年組織協議会(JA全青協)は2月26日から2日間、東京都内で第64回JA全国青年大会を開く。今年のスローガンは「今こそ協同の底力! さあ俺たちの時代を始めよう」。大会に向けJA全中の中家徹会長から盟友へメッセージを寄せてもらった。
第64回JA全国青年大会の開催、誠におめでとうございます。JAグループを代表し心よりお祝い申し上げます。
皆様が常日頃より、精力的に青年組織活動に取り組まれていることに、深く敬意を表す次第です。
さて、現在、JAグループは、「農業・農村の危機」、「組織・事業・経営の危機」、「協同組合の危機」の3つの危機にあると認識しています。
高齢化や人口の減少、担い手不足などにより、農業・農村の基盤は縮小しています。あわせて、JAグループの組織基盤も弱体化し、各事業の取り扱いが減少して、JAの経営も悪化傾向にあります。
そして、今般の農協改革にまつわる批判は、協同組合を否定するようなものであります。
こうした情勢をふまえ、最大の使命は、「農業者の所得増大」、「農業生産の拡大」、「地域の活性化」の実現に向けたJAグループの自己改革を成し遂げることに他ならないと考えております。
自主・自立の協同組合として、JAグループの自己改革に終わりはなく、不断に継続していくものですが、政府から、閣議決定・法定され、期限を区切られている事実があります。
農協改革の集中推進期間は平成31年5月までです。また、准組合員の事業利用規制のあり方については、33年3月までに結論を得るとされています。
さらに、31年9月までに、県中央会は連合会に、全中は一般社団法人に移行します。
これらをふまえれば、この数年間は、大変重要な時期であります。
◇ ◇
わが国は多種多様な農業、現場実態があるため、自己改革の取り組みもJAにより様々です。
このため、組合員の声を聞き、事業や活動に反映し、今こそ改めて、正・准すべての組合員とのつながりを強めていく必要があると考えます。
私は、産業組合学校の流れをくむ中央協同組合学園の第一期生として「協同の火」を絶やさず燃やし続けて参りました。また地元JAの職員時代には、青年部の事務局も担当しておりました。
JAの力の源泉、最大の強みは組合員です。まさに全国各地のJA青年部に集う6万人の盟友の皆さんです。
その組合員から「JAはよくやっている。JAは無くてはならない必要な組織」との評価を得ることができれば、組合員の結集力は高まり、協同組合の原点に立ったJAとして、ピンチをチャンスに変え、新たな出発をすることができると確信しています。
JAの果たすべき機能・役割ということから見れば、基本は農業振興であり国民の食を守っているということだと考えます。
これまでJAは全身全霊をかけて農業振興に取り組んできました。今まさにJAが果たすべき役割が大きくなっていると思っています。
JAグループの自己改革は「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」の確立をめざすものです。産業としての農業だけではなく地域をどう守るか、農村をどう守り、どう発展させるか、今言われている地方創生についてもJAの果たす役割は非常に大きいと思っています。
こうした観点からも、私たちは自己改革に取り組んでいるわけです。これを成し遂げることがやはり最大の使命であり、組合員から評価をいただくことが最も重要です。
◇ ◇
一方、農政に目を移せば課題が山積しています。これに対して個々に是々非々で対応していかなければなりません。そして、特に大事だと感じているのは世論です。
農業やJAについては国民にまだまだ十分に理解されていないと考えます。
例えば、食料自給率もこの低さでいいのかということについて考えられていないのが実態だと考えます。また、JAグループで実践する過疎地の活性化に向けた取組などもなかなか認知されていません。
こうしたことを都市部の方々や一般消費者の皆さんにもしっかりお伝えし、農業は必要で大切だということをご理解いただくことが重要だと考えます。
協同組合の原点に立ったJAが地域振興に取り組むとともに、食料、農業、農村の重要性を広く消費者に発信していくことが、農政課題を解決するためにも大きな力になると考えています。
全国各地の青年部では、現場の課題を話し合い、その解決に向けた取り組みをまとめた、ポリシーブックの作成・活用を実践されています。
ぜひとも、ポリシーブックの作成・活用を通じて、地域の方々をはじめとする消費者・関係者との議論や交流を重ね、食料・農業・農村、JAの発展に向け取り組みをすすめていただければと考えます。
JAグループでは、引き続き、ポリシーブックや青年組織との対話を通じて、担い手のニーズを把握し、事業運営への反映に取り組んでまいる所存です。
ともに、食と農を基軸として地域に根ざした協同組合の確立をめざし、取り組んで参りましょう。
むすびに、JA全青協と全国各地の青年組織の盟友の皆様が、今回の大会を契機に、地域農業、また、JA運動のリーダーとして、一層ご活躍されることを祈念いたします。
(関連記事)
・【寄稿】青年よ 未来を拓く覚悟と根性を持て!【文芸アナリスト・大金義昭 氏】(18.02.14)
・【寄稿】若さと協同の力で切り拓け農業新時代【村上光雄・JA三次元代表理事組合長】(前編)(18.02.13)
重要な記事
最新の記事
-
鳥インフルエンザ 愛知で国内40例目2025年1月21日
-
米のひっ迫感 「決して健全な状態だと思わない」 江藤農相2025年1月21日
-
【JAトップ提言2025】「協治戦略」で共生に道 JAはだの組合長 宮永均氏2025年1月21日
-
【JAトップ提言2025】農業応援団と地域振興 JAいちかわ組合長 今野博之氏2025年1月21日
-
上場銘柄の加重平均価格は1俵4万6417【熊野孝文・米マーケット情報】2025年1月21日
-
JA相模原とJA佐久浅間が友好JA協定 2月10日に締結2025年1月21日
-
「第7回らくのうマルシェ」25日に開催 全酪連2025年1月21日
-
自社ウェブサイトが主要IRサイト調査にて高評価を獲得 日産化学2025年1月21日
-
腕上げ作業の負担軽減「TASK AR TypeS3」レンタル開始 アクティオ2025年1月21日
-
野菜価格高騰 野菜がお得に購入できる家計応援キャンペーン実施中 ポケットマルシェ2025年1月21日
-
「ノウフク商品」販売イベント 羽田空港第3ターミナルで開催中 日本基金2025年1月21日
-
地産全消「野菜生活100 福島あかつき桃ミックス」新発売 カゴメ2025年1月21日
-
「マイカー共済」4月1日から制度改定 こくみん共済 coop〈全労済〉2025年1月21日
-
新規水稲用除草剤「ウツベシMX ジャンボ/エアー粒剤」販売開始 シンジェンタ2025年1月21日
-
【機構変更及び人事異動】杉本商事(4月1日付)2025年1月21日
-
【機構改正・人事異動】ニッスイ(3月1日付)2025年1月21日
-
日本酪農の持続可能性 について討論 海外事例も紹介 研究会開催 Jミルク2025年1月21日
-
宅配接遇力を競うコンテスト開催 パルシステム東京2025年1月21日
-
松本まりか「紅のご褒美」千葉のさつまいもアンバサダー就任1周年記念発表会開催2025年1月21日
-
家族で「物流・ITおしごと体験」2月開催 パルシステム2025年1月21日