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【オリンピック報道と民主主義の危機(下)】まるで全体主義国家にいるようだ2016年10月30日

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岡阿彌靖正元JA全農専務理事

 ナショナリズムでは国家に対する忠誠が求められる。表面的には国旗や国歌に対する態度だ。自民党の憲法改正草案では、「国民は国旗および国歌を尊重しなければならない」と義務化している。このような規定は国民主権や個人の尊厳と相容れない。尊重したり忠誠を示したりするかどうかは個人の選択権である。
 最近の出来事であるが、アメリカのプロフットボール選手が試合前の国歌で、有色人種を虐げている国に敬意を表することは出来ないと、起立を拒否した。チームはこれを非難することなく「米国の原理に基づいて国歌斉唱に参加するかしないかを選ぶ権利を認める。」と行為を容認した。
 大統領候補のトランプ氏は「自分に合った国を見つけたほうがいい。」と排除の姿勢を見せたが、オバマ大統領は「彼の真摯さを疑ってはいない。」と擁護した。民主主義の良識が働いている。

  ※  ※  ※

 経済のグローバル化が進み、各国がそれを受け入れると、経済を多国籍企業に牛耳られ、その儲けにつながらないものは無駄だと切り捨てられてくる。
 国家も敗者を「自己責任」といって見捨てる。多国籍企業を規制するだけの力を持った政権でなければ、国民の庇護は難しくなった。
 国民を庇護しない国家を国民は信任しない。それを信任されているように装う格好の道具が、ナショナリズムの高揚である。一体感を醸成し、国家に庇護されていることを錯覚させる演出である。その一方で、「国の安全」や「国の発展」という建前で、政府に従わない人々を一方的に排除する。
 日本では米軍基地に反対する沖縄の人たちも、原発事故の被害者も、家族農業を営む農民も、「国家」は庇護の対象とせず、排除されようとしている。これは健全な民主主義国家ではない。

  ※  ※  ※

 TPP協定の国会審議が始まっている。TPP協定については、誤訳あり、輸入米の調整金のごまかしありで、審議の前提が崩れている。これらでもめて、ろくに審議が進んでいないのに、農水大臣から「強行採決」という言葉が飛び出した。農業・食料や食の安全について、暮らしを脅かすことはないのか、国民に向かって分かりやすく説明する任にある人が、その任務を放棄して「強行採決」を言う。国民のことなど眼中にないのだ。このような態度が繰り返されれば日本の民主主義は崩壊する。
 「民主主義を取り戻せ」というフレーズは、昨年の安保法制の強行採決を受けて、日本中に広がった。言葉の担い手は市民と野党の共闘である。
 日本が民主主義国家であり続けるためには、この共闘をさらに広げ深めるしかない。

【オリンピック報道と民主主義の危機(上)】

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