稲イモチ病など病害虫の発生に注意 農林水産省2015年7月17日
農林水産省は7月14日に「平成27年病害虫発生予報第4号」を発表した。梅雨の時期は病害が発生しやすく、稲イモチ病をはじめとする病害虫の発生が多いと予想されるため、適時適切な防除を呼びかけている。
気象庁の向こう1ヵ月の予報(7月9日付)でも降水量は全国的に多く、日照時間は少ないと予想されている。また、西日本・太平洋側など梅雨前線停滞の影響で降雨による病害の発生も懸念される。エルニーニョ現象(海面水温が平年に比べ暖かい状態が1年ほど続くこと)が冬にかけて続く可能性が高いことも予測され、病害虫の発生に十分注意が必要だ。
以下、発生状況など。
<水稲>
○稲イモチ病の発生が多いと予想されており、7月10日現在で、4県(埼玉県、高知県、大分県、宮崎県)が注意報を発表している。
天候不順により、稲が長時間濡れている場合や軟弱徒長気味に生育している場合は、稲イモチ病が発生しやすいため、きめ細かな観察を行い、発生初期からの防除に努める。
○多くの地域で斑点米カメムシ類の発生が多いと予想されており、7月10日現在で、8県(宮城県、福島県、山形県、新潟県、富山県、石川県、福井県、京都府)が注意報を発表している。
カメムシ類は夏季に活動が活発になり、水田に侵入して出穂期の穂を加害する。よく観察し、都道府県から発表される発生予察情報に基づき、適時適切な防除を実施する。
<野菜・花き>
○アブラムシ類の発生は、キュウリ、トマト、ナス、サトイモ等で多いと予想。アブラムシ類は作物を加害するほか、多くの植物ウイルス病を媒介する。発生密度が高くなってからでは防除が困難なため、発生初期に防除を実施すること。
野菜・花きで発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及び地域に関しては以下の通り。
<果樹・茶>
○果樹カメムシ類は、餌を求めて果樹園にも飛来する。園内の観察をきめ細かく行い、飛来が認められた場合は、初期から防除を実施。
○ナシではナシ黒星病の発生が予想される。本病は降雨が続くと発生しやすくするため、天候の推移に注意し、農薬の散布間隔が空きすぎないように降雨の合間に薬剤を散布する。また宮城県ではナシ黒星病に関して注意報が出ている。
○モモではモモせん孔細菌病の発生が降雨と強風により助長されるので、梅雨の時期には注意が必要。適期に薬剤防除を実施。病斑がある枝や葉は伝染源となるため、見つけ次第除去し、園外の土中に埋める等適切に処分。
○茶のチャ炭そ病は、九州で発生が多いと予想。梅雨の時期に発生しやすく、新芽の発育初期が薬剤防除適期となる。観察を行い、適期に薬剤防除を実施する。
果樹・茶で発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及び地域に関しては以下の通り。
またこれらの日照不足及び長雨に関する通知を農林水産省では行っている。関連記事を確認。
(関連記事)
・天候不順による農作物被害防止・技術指導の徹底 農水省 (15.7.15)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(133)-改正食料・農業・農村基本法(19)-2025年3月15日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(50)【防除学習帖】第289回2025年3月15日
-
農薬の正しい使い方(23)【今さら聞けない営農情報】第289回2025年3月15日
-
イタリア旅行の穴場【イタリア通信】2025年3月15日
-
政府備蓄米 初回9割落札 60kg2万1217円 3月末にも店頭へ2025年3月14日
-
【人事異動】JA全共連(4月1日付)2025年3月14日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年3月14日
-
(426)「豆腐バー」の教訓【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年3月14日
-
実需者と結びつきある飼料用米 支援継続を 日本農業法人協会2025年3月14日
-
オホーツクの恵み 完熟カボチャからフレークとパウダー JAサロマ2025年3月14日
-
日本一の産地の玉ねぎがせんべいに 産地の想い届ける一品 JAきたみらい(北海道)2025年3月14日
-
みおしずくがクッキーに 日野菜漬はふりかけに JAグリーン近江(滋賀県)2025年3月14日
-
地域の歴史受け継ぎ名峰・富士の恵み味わう かがり火大月みそ JAクレイン(山梨県)2025年3月14日
-
【人事異動】JA全厚連(4月1日付)2025年3月14日
-
高まるバイオスティミュラント普及への期待 生産者への広報活動を強化 日本バイオスティミュラント協議会2025年3月14日
-
岩手県大船渡市大規模火災での共済金手続きを簡素化 JA共済連2025年3月14日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第107回2025年3月14日
-
3月14日は「蚕糸の日」 大日本蚕糸会2025年3月14日
-
種苗・農産物輸出の拡大に向けた植物検疫のボトルネック解消「農研植物病院」へ出資 アグリビジネス投資育成2025年3月14日
-
【役員人事】農中信託銀行(4月1日付)2025年3月14日