農業施設に被害-熊本地震2016年4月19日
農林水産省がまとめた平成28年熊本地震の農業関係の被害状況によると、4月18日午後3時現在でJAのカントリーエレベーターなどの破損が出ている。
九州農政局からの聞き取りでは、JAかみましきのライスセンター(上益城郡山都町)で窓ガラス破損等の被害が発生、また、カントリーエレベーター(同郡嘉島町、米麦3000t)では搬入路にひび割れが発生し搬入に支障が出る可能性があるという。
JA菊池のカントリーエレベーター(菊池郡菊陽町、米麦4320t)では、乾燥機内外の断熱材の滑落、ベルトコンベアのレーン脱落、メイン電源の漏電などが発生している。
JA熊本市のカントリーエレベーター(熊本市東区、米麦3500t)では敷地の地盤沈下が確認された。JAやつしろのカントリーエレベーター(八代市、米2400t)では床板鉄板が破損した。熊本県内のその他複数の米麦共乾施設に被害が出ているという。
熊本県内にはカントリーエレベーター26施設、ライスセンターが39施設ある。
また、熊本県全体の米麦の例年の作業スケジュールは、稲の田植えが4月22日から7月1日で最盛期は6月14日となっている。麦は現在成育中で5月下旬から6月上旬に収穫期を迎える。
熊本県全体の稲作付け面積は3万1000ha、経営体戸数は2万9000戸。麦類作付け面積は6300ha、経営体戸数は1700戸となっている(2015年センサス)。
酪農の状況は、地震発生直後は集乳できない地域が熊本県下で広がったものの、4月17日から阿蘇地域の一部を除き集乳が再開し、18日には阿蘇の一部地域でも新たに集乳が可能となった酪農家もある。集乳がされず生乳を廃棄せざるを得なかった酪農家は17日は13戸あったが、18日には5戸となったという。
熊本県酪連の熊本工場は操業停止だが、18日から牛乳・乳製品の製造はできないものの、生乳の受け入れは再開した。菊池工場は18日に操業を再開したがトラブルのため19日は停止する予定。
熊本乳業は操業停止。(株)弘乳舎は操業停止だが生乳受け入れは可能。球磨郡相良村の球磨酪農協は操業している。
九州生乳販連の指示で操業中の福岡、宮崎の乳業へ生乳の振り替え送乳を行っている。
(熊本地震の関連記事)
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