SBS輸入米 国産米価格押し下げを否定-農水省2016年10月5日
農林水産省は10月4日に自民党が開いたTPP総合対策実行本部会合で国産米の価格とSBS落札数量の関係について、SBS米の輸入が国産米の価格を押し下げている状況にはないと説明した。
SBS(Simultaneous Buy and Sell、売買同時契約)輸入米の仕組みは、(1)輸入業者と国内の実需者がペアで国の入札に参加、(2)国の売渡価格と買入価格の差(マークアップ)が大きい札から落札、(3)国と輸入業者・実需者(落札ペア)の3者間で特別売買契約を締結、(4)国が輸入業者からの買入れと実需者への売渡しを同時に実施する、となっている。
ミニマム・アクセス(MA)輸入米はWTO協定で現在約77万tとなっているが、このうち10万実tをSBS輸入枠としており、おもに主食用に販売している。
農水省はこの日の会合に国産米価格とSBS落札数量の関係を示した。
平成21年度の国産米価格(精米換算、相対取引)は1kg251円でSBS枠は10万t落札した。しかし、22年度は国産価格が同220円に下落し、SBS枠の落札数量は2.2万tとなった。
その後、国産米価格が上昇した23、24年はSBSの10万t枠は埋まったが国産米価格がkg286円から同246円に下落した25年度は6.1万t、同201円に下落した26年度は1.2万tで27年度は2.9万tと枠が埋まっていない状況となっている。
農水省は国産米価格が高いときはSBSの輸入量が多く、国産米価格が安いとSBSの輸入量は少なく、業界は国産米で手当てしている状況にあることなど説明した。そのうえで「SBS米の輸入が国産米の価格を押し下げている状況にはなっていない」と説明した。
しかし、農水省の説明に生産現場は納得するだろうか。国産米の価格が安いときも、少ないとはいえ主食用として輸入され、供給過剰になっている。SBS輸入米が市場に出なければ国産米価格はもっと高水準になったのではないか。
自民党の会合では出席議員から質問や異論は一切出なかった。
(関連記事)
・【コラム・正義派の農政論】SBS米のあきれた説明 (16.10.05)
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】キュウリCABYV 県内で初めて確認 福島県2024年11月13日
-
【警報】野菜類、花き類にハスモンヨトウ、オオタバコガ 県内全域で多発 熊本県2024年11月13日
-
農業知らずの財務省【小松泰信・地方の眼力】2024年11月13日
-
【クローズアップ】25年度全中畜酪政策提案 生産意欲損なわぬ酪肉近目標を 国産飼料拡大と生乳需給強化も2024年11月13日
-
町内清掃に参加し環境保全活動 JA共済連2024年11月13日
-
農業高校の生徒と教員がVRで農作業事故を疑似体験 JA共済連が農業収穫祭で特別講義2024年11月13日
-
日本唯一 お茶の総合博覧会「世界お茶まつり2025」開催 静岡県2024年11月13日
-
「おにぎり ぼんご」と親子おむすび教室を共同開催 ファミリーマート2024年11月13日
-
埼玉県の名産「桂木ゆず」を肥料に使用「桂木ゆず米」新発売2024年11月13日
-
外食・中食・小売 関西最大級の商談展示会「FOODSTYLE Kansai 2025」開催2024年11月13日
-
和歌山県橋本市「第18回まっせ・はしもと~柿まつり2024」開催2024年11月13日
-
第18回全農学生『酪農の夢』コンクール受賞作品が決定 上位4作品の朗読動画を公開 JA全農2024年11月13日
-
京都のブランド牛「亀岡牛」品評会で健闘「優良賞2席」を受賞 亀岡市2024年11月13日
-
「北海道のひだり上るもいフェア」東京・有楽町のどさんこプラザで開催2024年11月13日
-
馬上丈司社長が財界「経営者賞」受賞 千葉エコ・エネルギー2024年11月13日
-
富士通と連携 CO2削減などの課題を可視化・分析 スムーズなEV導入を支援 JA三井リース2024年11月13日
-
JICAから追加支援 ブラジルで高機能バイオ炭事業を加速 TOWING2024年11月13日
-
「自然派Style産直じゃがいもまるごとハッシュドポテト」新登場 コープ自然派2024年11月13日
-
台湾産のジャポニカ米「むすびの郷」14日から発売 西友2024年11月13日
-
【特殊報】ルレクチエにセイヨウナシ黒斑細菌病 県内で初めて確認 新潟県2024年11月12日