基幹的農業従事者10年で2割減-「白書」2017年5月23日
雇用者へ労働力シフト
政府は5月23日の閣議で28年度「食料・農業・農村白書」を了承した。白書では安倍政権が進める農業の成長産業化に向けた全農改革を進める農業競争力強化プログラムを冒頭の特集で解説して改革をアピール。政府は同プログラム実施のための8法案を国会に提出。まだ、収入保険制度など今後審議中の法案もあるが、白書では法案の国会提出も「28年度食料・農業・農村の動向」だとしてこれら法案の解説も盛り込んだ。食料・農業・農村基本法(第14条1項)でこの「白書」は国会に報告する文書とされている。
28年度白書は農業競争力強化プログラムを「日本の農業をもっと強く」として冒頭の特集で取り上げた。
生産資材引き下げなど13分野にわたる同プログラムはそれぞれ公表されているが、このうち生産資材価格の引き下げと農産物の流通・加工の構造改革に焦点をあてた。生産資材価格については▽業界に対する規制が最新の科学的知見をふまえた合理的なものになっていない、▽メーカーや銘柄数が多い、寡占により適正な競争が行われていないことなどから生産コストが高いことなど、業界の問題点を指摘。また、価格や品質についての情報不足のため農業者が有利となる購入先を選択することが困難な状態などと課題をあげた。
また、農産物の流通では事業者が多くコスト高になっているとして、卸売市場など中間流通の合理化や農業者団体による直接販売ルートの拡大が必要になっているなどの課題をあげた。
それらを解決するための農業競争力強化支援法案などの法整備とともに、全農による生産資材の買い方、農産物の売り方の「見直しが必要です」と「全農の自己改革」の部分で記述している。
特集のもうひとつは2015年農林業センサス。「変動する我が国農業」として分析した。
05年センサスからの10年間で32%減少し196万戸から133万戸になった。一方、法人経営体は10年間で2.2倍に増加(8700経営体→1万8857経営体)し、農産物販売金額全体に占める法人経営体のシェアは15%から27%に増加している。
また、白書は農業労働力に注目した。販売農家における基幹的農業従事者は10年間で22%減少(224万人→175万人)する一方、常雇い人数は1.6倍(6万1094人→9万9393人)に増加したことを紹介し「世帯員から雇用者への労働力のシフトが進展」していると指摘した。
また、法人経営体の常雇い人数は2倍(5万2888人→10万4285人)に増加し、その47%が44歳以下であることを今回初めて分析し、法人経営体が「若い農業者の受け皿として大きな役割」を果たしていることを指摘した。 そのほか、食料・農業・農村それぞれの動向を扱った章では関連するトピックスを章の冒頭で紹介している。また、第4章は「大規模災害からの復旧・復興」として東日本大震災からの復旧・復興に加えて熊本地震、鳥取中部地震、台風や大雪被害などによる農業被害状況と復旧について取り上げている。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2024年7月16日
-
【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2024年7月16日
-
30年目を迎えたパルシステムの予約登録米【熊野孝文・米マーケット情報】2024年7月16日
-
JA全農、ジェトロ、JFOODOが連携協定 日本産農畜産物の輸出拡大を推進2024年7月16日
-
藤原紀香がMC 新番組「紀香とゆる飲み」YouTubeで配信開始 JAタウン2024年7月16日
-
身の回りの国産大豆商品に注目「国産大豆商品発見コンクール」開催 JA全農2024年7月16日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」鹿児島県で黒酢料理を堪能 JAタウン2024年7月16日
-
【役員人事】ジェイエイフーズおおいた(6月25日付)2024年7月16日
-
【人事異動】ジェイエイフーズおおいた(4月1日付)2024年7月16日
-
日清食品とJA全農「サプライチェーンイノベーション大賞」で優秀賞2024年7月16日
-
自然派Style ミルクの味わいがひろがる「にくきゅうアイスバー」新登場 コープ自然派2024年7月16日
-
熊本県にコメリパワー「山鹿店」28日に新規開店2024年7月16日
-
「いわて農業未来プロジェクト」岩手県産ブランドキャベツ「いわて春みどり」を支援開始2024年7月16日
-
北海道で農業×アルバイト×観光「農WORK(ノウワク)トリップ」開設2024年7月16日
-
水田用除草ロボット「SV01-2025」受注開始 ソルトフラッツ2024年7月16日
-
元気な地域づくりを目指す団体を資金面で応援 助成総額400万円 パルシステム神奈川2024年7月16日
-
環境と未来を学べる体験型イベント 小平と池袋で開催 生活クラブ2024年7月16日
-
ポーランドからの家きん肉等の一時輸入停止を解除 農水省2024年7月16日
-
JAタウンのショップ「ホクレン」北海道産メロンが当たる「野菜BOX」発売2024年7月16日
-
「野菜ソムリエサミット」7月度「青果部門」最高金賞2品など発表 日本野菜ソムリエ協会2024年7月16日