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水田フル活用150億増額要求-30年度概算要求2017年8月25日

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 農林水産省は8月25日、自民党の農林関係合同会議に平成30年度農林水産関係予算概算要求の重点事項と要求額を示した。来年度予算について政府は各省庁に対し、29年度当初予算の115%を限度に概算要求できるルールとしていることから、8月末に概算要求で農林水産省はその限度額である総額2兆6525億円を財務省に提出する。

◆農業農村整備5000億要求

 農水省は農業分野で農業構造の改革や、水田農業政策、品目別対策など概算要求では6つの重点事項を掲げた。

25日午前に開かれた自民党の農林関係合同会議(写真)25日午前に開かれた自民党の農林関係合同会議


 このうち「担い手への農地集積・集約化等による構造改革の推進」では、農地中間管理機構による担い手への農地集積を加速化させるため今年度予算より58億円増の213億円を要求。農地の大区画化等の推進には同294億円増の1328億円(農業農村整備事業で実施)を要求する。


 また、農地中間管理機構による担い手への農地集積・集約を行う際、農業者の費用負担なしで農地改良などを実施する農地耕作条件改善事業は171億円増の407億円を要求する。


 飼料用米や麦・大豆など戦略作物の本作化を進め、主食用米の需給調整を図る交付金である水田活用の直接支払交付金は154億円増の3304億円を要求し「30年産からのコメ改革を着実に実施していきたい」(農水省)としている。


 同時に畑作物の直接支払交付金は所要額として1984億円(29年度1950億円)、収入減少影響緩和対策交付金(ナラシ対策)は所要額として816億円(同746億円)を要求する。


 また、30年秋からスタートする収入保険制度のため保険料、積立金などの国庫負担分として531億円を要求する。


 農業農村整備事業は3793億円(3084億円)を要求した。これに前述した農地耕作条件改善事業(407億円)と農山漁村地域整備交付金1189億円のうち820億円が農業農村整備事業で、合計で5020億円を要求することになるという。


 「生産資材価格の引き下げ、流通・加工の構造改革」を進めるため、関連業界の事業再編・事業参入を支援する財投資金としてA-FIVE(農林漁業成長産業化支援機構)の融資枠225億円、日本政策金融公庫の融資枠5400億円のなかでそれぞれ確保する。


 GAP拡大の推進は新規で9億円、GI保護制度活用の総合推進事業は3億円(2億円)、植物品種等海外流出防止総合対策事業は5億円(1億円)を要求する。


 農村政策では多面的機能支払交付金495億円(483億円)、中山間地域等直接支払交付金269億円(263億円)のほか、今年度からの新たな事業である中山間地域ルネッサンス事業は100億円増の500億円を要求する。


 また、鳥獣被害防止対策とジビエの利活用を推進させるため捕獲から搬送・処理加工がつながったモデル地区を全国で12か所整備するなど予算として153億円(97億円)を要求する。


 輸出については海外需要創出等支援対策事業48億円(32億円)などを盛り込む。

 

◆補正予算も視野

 この日の会議には農業団体代表も出席し各団体が要望した。


 このうちJA全中の中家徹会長は、JAグループが自己改革として取り組みを進めている農業者の所得増大と農業生産の拡大は「改革の一丁目一番地」だとして取り組みを加速させることを強調したが、一方で災害や天候不順で野菜、コメの作柄への影響が心配されるなか「異常気象は世界中で発生している。食料安全保障の観点と食料を安定供給するという使命感を持つ農業、農村を強く元気にすることが大事」と農業予算の充実を求めると同時に、米の直接支払交付金が廃止される30年産に対する政策と予算について、現場で関心が高まっていることを強調した。


 会合では出席議員からも米の直接支払交付金の廃止にともなう予算の使途について説明を求める声も出たが、農水省は「それ(714億円)も含めて今年度予算の115%という枠めいっぱいの要求をする」とし、農家の所得確保の観点から水田活用の直接支払い交付金の単価を維持し、全体の増額を要求していくと説明した。


 会合で西川公也農林・食料戦略調査会長は29年度は当初予算2兆3071億円と補正予算5739億円を合わせた2兆8810億円となっていることを指摘し、今回の概算要求でかりに2兆6525億円の全額確保が実現したとしても、来年度予算は今年度よりも2300億円不足すると強調、「補正予算がなければどうしても農政が回っていかない」として補正予算編成を期待した。


 政府は7月の日欧EPA大枠合意をふまえ、この秋に「総合的なTPP関連政策大綱」を改訂することとしており、農水省はその実現に必要な経費については、年末までの予選編成過程で検討するとしている。


◎平成30年度農林水産関係予算概算要求のおもな事項 ()内は29年度当初予算


★総額=2兆6525億円(2兆3071億円)

【担い手への農地集積・集約化等による構造改革の推進】
▽農地中間管理機構による担い手への農地集積・集約化の加速化=213億円(155億円)
▽農地の大区画化等の推進(公共)=1328億円の内数(1034億円の内数)(農業農村整備事業で実施)
▽農地耕作条件改善事業=407億円(236億円)
▽農業経営法人化支援総合事業=10億円(7億円)
▽農業人材力強化総合支援事業=259億円(202億円)うち農業次世代人材投資事業=199億円(140億円)


【水田フル活用と経営所得安定対策の着実な実施】
▽水田活用の直接支払交付金=3304億円(3150億円)
▽農業再生協議会の活動強化等=89億円(83億円)(経営所得安定対策等推進事業等で実施)
▽収入保険制度の実施=531億円(新規)


【強い農林水産業のための基盤づくり】
▽農業農村整備事業(公共)=3793億円(3084億円)
▽農山漁村地域整備交付金(公共)=1189億円(1017億円)
▽強い農業づくり交付金=290億円(202億円)
▽酪農経営体生産性向上緊急対策事業(酪農家の労働負担軽減・省力化など)=60億円(60億円)
▽ばいれしょ増産輪作推進事業=30億円(新規)


【農林水産業の輸出力強化等】
▽GAP拡大の推進=9億円(新規)
▽地理的表示保護制度活用総合推進事業=3億円(2億円)
▽6次産業化支援対策=食料産業・6次産業化交付金等で実施。35億円の内数(30億円の内数)
▽食育の推進=同。28億円の内数(23億円の内数)。


【食の安全・安心の確保】
▽消費・安全対策交付金=27億円(19億円)
▽産業動物獣医師の育成・確保対策=2億円(2億円)


【農山漁村の活性化】
▽多面的機能支払交付金=495億円(483億円)
▽中山間地域等直接支払交付金=269億円(263億円)
▽中山間地農業ルネッサンス事業(一部公共)=500億円(400億円)(優先枠等を設けて実施)
▽「農泊」の推進=75億円(50億円)(農山漁村振興交付金で実施)


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