改正畜産法の政省令案でパブコメ募集-農水省2017年9月8日
農林水産省は9月6日、新たな加工原料乳生産者補給金制度を創設する改正畜産経営安定法(畜安法)について法律を運用する際の政省令案を示した。10月5日まで意見募集(パブリックコメント)を実施している。
新たな補給金制度は暫定法で定めていたものを改正法に盛り込み、制度を恒久化した。同時に補給金の交付対象を現行の指定団体のみから、買い取り業者や直接販売する生産法人などにも拡大する。
ただし、補給金対象者は用途別の取り引き(年、月別)などを盛り込んだ「年間販売計画」を国に提出することが求められる。
政省令の焦点のひとつがこの「年間販売計画」の「基準」だった。示された省令案では年間販売計画は「年間を通じた用途別の需要に基づく安定取引又は特定乳製品の製造であると認められる」ことが基準として規定された。農林水産省によると具体的には生産者それぞれの年間平均加工原料乳向け出荷量の最低2割を満たすことを計画する必要があるとの規定だという。需要期の夏場は飲用向けのみに出荷し、不需要期には加工原料乳向けを増やすなどの計画は認められない。
また、指定団体など集乳事業者が生産者との取り引きを拒否できる要件も示した。
▽事業者に委託、または売り渡す生乳の数量が季節的な変動要因を超えて増減している
▽短期間の取り引きを求める
▽特定用途への生乳販売を条件としている、
▽生乳の品質が事業者が統一的に定める基準に適合しない、
▽事業者との間で約束した数量から大幅に増減している(売れ残りの委託など)
の5つをあげた。
新制度では補給金のうち一定の集送乳経費見合い分を「集送乳調整金」として事業者に交付する。ただし、国会の附帯決議では条件のいい地域だけから集乳するような事業は認めず、山間部も含めてあまねく地域から集める事業者を交付対象とすべきとされた。
省令案ではこの点について集送乳にかかる経費について「平準化の措置」がとられていることを要件とした。これによって条件不利地域は経費をより多く徴収するような事業者を認めない規定とした。
意見募集の後、10月中に政省令を定め来年4月に改正畜安法が施行される。
(関連記事)
・ 水田活用の交付金増額要求-30年度予算(17.08.23)
・ 飼料用米活用畜産物ブランド 日本一コンテスト(17.08.03)
・畜産ネット 日EU会合に代表団派遣(17.07.05)
・畜産ICT企業に全農と農中が出資(17.03.28)
・加工原料乳5年連続引上げ 27年度畜産物価格(15.01.15)
重要な記事
最新の記事
-
JA経営 経常利益18.5%減 2024年度上半期総合JA経営調査2025年3月10日
-
JA貯金残高 108兆2105億円 1月末 農林中金2025年3月10日
-
米価高騰の主因は食糧安保政策の不在【森島 賢・正義派の農政論】2025年3月10日
-
国産ジビエ認証施設に大分県「日田ジビエ工房」認証 農水省2025年3月10日
-
米価下がる見通し 関係者の判断 大幅増 米穀機構調査2025年3月10日
-
女性総合職 新卒採用40%以上を目標 農林中金2025年3月10日
-
廃棄されるゆら早生みかんを豊潤なジュースに フードロス減らしSDGs貢献 JAありだ(和歌山県)2025年3月10日
-
地元産ササニシキがパックご飯、大豆・りんご・たまねぎ・味噌が焼肉のタレに2025年3月10日
-
花き振興部会第36回総会を開く JA鶴岡2025年3月10日
-
本日10日は「魚の日」国産若うなぎ長焼きなど60商品を特別価格で販売 JAタウン2025年3月10日
-
温暖化に対応したミカンとアボカドの適地予測マップを開発 農研機構2025年3月10日
-
【人事異動】農中情報システム(株)(3月31日付、4月1日付)2025年3月10日
-
【今川直人・農協の核心】営農指導モデル2025年3月10日
-
作物病害の原因となる植物群落の結露と気象条件の関係を定量化 農研機構2025年3月10日
-
北海道にコメリパワー「恵庭店」3月21日に新規開店2025年3月10日
-
春の味覚を楽しむ 市内3つの農園でいちご狩り体験 福井県あわら市2025年3月10日
-
乙葉が登壇「さけるチーズの日」盛り上げる「さけるチーズフェス2025」大阪で初開催 雪印メグミルク2025年3月10日
-
お米ギフト「年貢米」オンラインストア限定で新発売 八代目儀兵衛2025年3月10日
-
福島県白河市 美味しくて自慢の農産品が東京に集結 販売会開催2025年3月10日
-
農機自動操舵システム「FJD AT2 Max農機自動操舵システム」販売開始2025年3月10日