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農政:JAは地域の生命線 国の力は地方にあり 農業新時代は協同の力で

【JA改革の本質を探る】北海道力・国力は農業・地域に宿る 「地域と歩む」 育つ心情(下)2016年10月3日

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地殻変動――始まった地域からの戦い――海道野党共闘の現場から
飯澤理一郎
北海道大学名誉教授

創意と努力で耕作してきた農地は北海道の地域資源そのもの

 農業・農村を、地域を衰退させるわけにはいかない。TPP、「農協等『改革』」旋風が吹き荒れる中で、農業・農村比重の大きい地域、特に北海道でそうした思いが広がったとしても何の不思議はない。そうした思いが今次「野党共闘」の魁(さきがけ)とも称される北海道5区衆議院補選での候補者の一本化に繋がったように思えて仕方がない。
 いかに「食料基地」「農業大国」と称されようとも、いかんせん農業は就業者上でも道民所得上でも10%に遠く及ばず、とても中軸を成しているとは言えない。食品工業や生産資材産業、運輸業、建設業など農業関連産業を加えても、過半を超えることはまずあるまい。とすれば、農業関連票だけではどう考えても5区補選で肉薄するまではいくまい。また、JA組織はもちろんコープ、消費者協会、道経済連合会までもが参加した「オール北海道」的なTPP"時期尚早・反対"運動も、更に当初40%前後に過ぎなかった道内食率(道内で食される道産米の割合)の85%への大上昇も考え難い。人口比から見ても、非農家・非農村住民などの支持と賛同・共感がなければ、いずれも不可能なのである。とすれば、「98・5%対1・5%」などとの言い方は不正確極まりない。98・5%の人々の中に1・5%、すなわち農業と、広く言えば地域と共に歩んでいかなければ北海道の前進・発展はないとする心情・心意気が大きく育ってきた、と言えるのかも知れない。"北海道力"、広く国力は農業に、地域に宿るのである。


飯澤 理一郎
北海道大学名誉教授
 1948年山形県生まれ。北海道大学卒。1989年専修大学北海道短期大学助教授、北海道大学農学部助教授、同大学院農学研究院教授など歴任し、現在北海道大学名誉教授、一社・北海道地域農業研究所 副理事長・研究所長。専門は 食料・農業市場学、農業経済学。

(写真)創意と努力で耕作してきた農地は北海道の地域資源そのもの。"地域を衰退させてはならない"との共感が広がっている

・北海道力・国力は農業・地域に宿る 「地域と歩む」 育つ心情 (上) (下)

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