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農政:農業協同組合研究会 第14回研究大会

【農協研究会・第2報告 需給調整は用途別に】加藤純・JA全中農政部水田・畑作農業対策課長2018年5月28日

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・農業協同組合研究会第14回研究大会

加藤純・JA全中農政部水田・畑作農業対策課長 この数年、わが国の米政策の大きな動きをみると、平成14年の「米政策改革大綱」、22年の「戸別所得補償制度」、25年の「農林水産業・地域の活力創造プラン」の決定と続く。
 米政策改革大綱では、これまで長年行っていた減反面積を割り当てるネガ方式の生産調整を数量配分の「ポジ方式」作へと大きく転換。行政がその生産数量目標を配分することになった。

(写真)加藤純・JA全中農政部水田・畑作農業対策課長

 

 その後、民主党政権下で実施された米の生産調整参加者にメリットとして直接支払交付金が措置されたほか、水田での麦・大豆などの戦略作物にも交付金が交付された。
 その後、25年の「活力創造プラン」では平成30年産米から国は生産数量目標の配分を行わなくなり、農業者・農業団体が主体となる需給調整システムへ移行することが決めれた。また、直接支払交付金も廃止される。
 このため、生産者や集荷業者・団体が中心となって、都道府県、地域でそれぞれ協議会をつくり、米の生産についての方針と目安を作成し、生産者に示す仕組みになる。
 その代わり行政は、情報提供や全国ベースの需給見通しの公表、産地別のきめ細かい需要実績や販売進捗・在庫などの情報を提供する。
 その場合、米の需給見通しが重要になるが、これについては民間在庫水準に注目する必要がある。平成30年3月の農水省食糧部会によると、31年6月末の在庫水準を180万t。民間在庫量と相対取引価格の間には相関関係があり、在庫が200万tを超えた平成26~27年の価格は60kg1万900円のときもあった。その後、在庫量が減り、1万4000円台に戻している。
 一方、主食用米の需給が均衡しているなかで、業務用米が不足している。産地では高価格帯中心の一般家庭用の米をつくる意向が強いが、買い手には、低価格帯中心の業務用米へのニーズがある。業務用米の需要は、全体の約3割を占める。
 一般家庭、政府備蓄、加工、輸出、米粉、飼料と、それぞれ用途別に需給調整ができるかがポイントになる。それを行わない場合、結局、国内主食用米需要全体の、一層の減少につながる恐れがある。
 また、今後の水田農業政策のあり方としては、10a当たりの手取りで考えるべきである。その一つは省力化や多収米によるコスト低減であり、もう一方は、水田活用直接支払交付金等を含めて収入を高める作物への転換である。こうした取り組みを県域でいかに展開するかが鍵になる。
 需要の変化に対応し、全農も、米卸業者への玄米販売中心から、実需者への精米の直接販売を主体とした事業方式への転換、買い取り販売の拡大等に取り組んでいる。経済連・JAを含め、JAグループ全体で徹底し、30年産からの米政策で混乱のないよう取り組む。

 

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